アニメで伝える自身の体験
公式ホームページやSNSで、財団の活動にまつわる1話のアニメストーリーを公開しているケイン。そこには実体験から得たケイン流のメンタルケア方法が描かれている。
「幼少期に感じる『拒絶』とは理解し難いものでもあり、非常に厄介なもの」との語りで始まる背景には、実際にケインが8歳の時に契約を結んでいたアーセナルのユース・アカデミーから契約解除を言い渡された出来事が存在した。
当時、まだ幼かったケインにそう教えてくれたのは父親だった。しかし、ケイン自身はその出来事に対して、自身の中で湧き上がってくる感情がどんな種類のものなのかが理解できなかったという。父は失望することなく現実を受け止め「もう一度頑張って、どこまで行けるか見てみよう」と、ケインの大きな支えとなっていた。
その後に縁があって、11歳の時に現在のトッテナムのユースチームに入団する。ファーストチーム入りを目指し、必死に我慢強くトレーニングを積み、常に試合前に「絶対にやってやる!」と自身に言いかけせ続けていたケイン。 しかし、その願いに反しレンタル移籍をすることになってしまう。
当時の苦悩をアニメの中でケインはこのように語っている。
「簡単なことではなかった。本当につらい時期を乗り越えて、頑張らなければならなかった。自分を信じられなくなって、自問自答をすることもあったけれど、誰にも同情してほしくなかった。もう一度自分を信じなければと、言い聞かせていた。そして、自分は優れたプレーヤーであるということを証明しようと決意したんだ。チャンスは必ず来ると信じて……」
その決死の想いが、現在のワールドクラスプレイヤーとしての地位を築き上げた訳だ。苦難をどのように乗り越えれば良いのか?どうやって向き合っていけば良いのか?ケインは、自身の経験からいくつかのメンタルケアの方法論を掲げている。
「どこにいようと、どんな困難があろうと努力を続け、進み続けること。そして最も重要なことは、常に自分自身を信じること。なぜなら自分を信じれば信じるほど、また周囲に自分のことを話せば話すほど、サポートをもらい少しずつすべてが現実となっていくから」
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