過去の栄光よりも先の未来に

前述の2011年FIFA女子W杯ドイツ大会で、日本代表の一員としてチャンピオンの栄光を手に入れた岩渕。当時、彼女はまだ18歳という若さもあり、まずは本人が「楽しくサッカーをする」ことを第一優先に自分らしくプレーをしていた。

しかし、その後サッカーの聖地イングランドに渡ると、岩渕のサッカーに対する考えに変化が見られるようになる。トップクラブに所属をしたからには、自分自身の責任としてチームをいかに勝利に導くのか?といった考え方や、女子サッカー全体の将来についてなど視野が一気に拡大し、周囲に対する想いが強くなったようだ。

さまざまなメディアインタビューで語られてきた「岩渕真奈流の思考」。それは、過去の栄光よりも先の未来に着目すること。そして未来を見据えた時に、現在の自分自身に必要な能力は何かを分析し、現実を受け止めるということ。これはそのまま彼女の魅力として言い換えることができる。今を受け止められる勇気とオープンさがあり、立ち止まらずに先へ進んで行ける人物だ。


アーセナル MF岩渕真奈 写真:Getty Images

イングランドでの生活スタイル

岩渕と同じイングランドの地には、お馴染みのプレミアリーグ、アーセナル所属のDF冨安健洋らがいる。休みの日には大抵行動を共にしている仲良しのMF長谷川唯(マンチェスター・シティ・ウィメンズ所属)、そして2022年8月にウェストハム・ユナイテッド・ウィメンに移籍を果たしたDF清水梨紗など、その他にも多くの日本人選手が在住している

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たとえサッカープレイヤーではなくとも、最初は誰もが日本から遠く離れた土地で、文化の違いや言語の壁などが不安や心配事になることは付き物だ。しかし、同じ日本人の仲間が近くにいるというだけでお互いの強い支えとなっているようだ。

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休みの日には、長谷川とお気に入りのカフェに出かけて、目一杯の女子トークでリラックスした時間を過ごしたり、29歳の誕生日に冨安らにお祝いをしてもらったり等、イングランドの生活スタイルが徐々に馴染んできている様子が岩渕のSNSで伺える。

さまざまな苦難を乗り越え、恐れずに前へと突き進む魅力。そんな魅力あふれる岩渕真奈から今後もますます、目が離せなくなりそうだ。