“インザーギ・インテル”の持ち味が凝縮された後半

バストーニのクロスに反応したバレッラが後半5分に、ハカン・チャルハノールのロングパスを胸トラップでコントロールしたマルティネスが同18分にゴールを挙げ、逆転に成功したインテル。

バレッラのゴールの直前にあたる同4分に、自陣ペナルティエリア付近でボールを受けたバストーニを起点にビルドアップを開始。ここでも自陣後方に降りたチャルハノールがペドリを、ヘンリク・ムヒタリアンがブスケツを釣り出したことで、ミドルゾーンまでボールを運ぶことに成功。これが相手のファウルやインテルのフリーキックからの2次攻撃、最終的にはバレッラのゴールに繋がっている。

マルティネスのゴールの起点となったのは、ハーフウェイライン付近でのチャルハノールのインターセプト。インザーギ監督仕込みのビルドアップやカウンターが、後半にも物を言った。

1点のリードを得たインザーギ監督は、後半31分にジェコとチャルハノールをベンチに下げ、DFラウル・ベッラノーバとMFロビン・ゴセンスを投入。インテルの守備隊形は[5-3-2]から[5-4-1]に変わったが、最終ラインを高く保ったことで自陣に釘付けにならず。同37分にレバンドフスキのシュートがインテルの選手に当たり、ボールの軌道が変わってゴールに吸い込まれるという不運に見舞われたものの、この7分後にGKアンドレ・オナナのロングパスから始まった速攻をゴセンスが結実させ、インテルが再びリードを奪う。守備一辺倒にならなかったことが功を奏した。

バルセロナ FWロベルト・レバンドフスキ 写真:Getty Images

後半アディショナルタイムに、ガルシアのクロスにヘディングで合わせたレバンドフスキにゴールを奪われドロー決着となったものの、バルセロナの逆転は阻止。“インザーギ・インテル”の真価が発揮された一戦だった。

グループステージ全6節終了時点でインテルとバルセロナが勝ち点で並んだ場合、大会規定により直接対決の戦績(第3節と今節)で上回るイタリアの名門が決勝ラウンドに進出する。3位バルセロナとの勝ち点差3を維持したインテルは、次節のプルゼニ戦で白星を飾ればグループステージ突破が決まる状況だ。

今季のセリエA9試合消化時点で、5勝4敗の7位と出遅れたインテル。バルセロナとの連戦で持ち前の速攻やビルドアップが通用したことは、今後の巻き返しに向けてポジティブな要素と言えるだろう。