マセラティ・モデナ本社は2022年10月3日、ブランドのアイコンである2023年型「グラントゥーリズモ」のニューモデルを発表した。新型グラントゥーリズモは75年前の「マセラティ A6 1500」から始まったグラントゥーリズモの系譜の新たなページが開いたことを意味している。

マセラティ初のEVもラインアップ 新型「グラントゥーリズモ」発表
(画像=マセラティ初の電気駆動グラントゥーリズモ・フォルゴレ、『AUTO PROVE』より引用)
マセラティ初のEVもラインアップ 新型「グラントゥーリズモ」発表
(画像=『AUTO PROVE』より引用)

新型グラントゥーリズモは、パワーに満ちた内燃エンジン・モデルと、革新的な100%電気駆動モデルをラインアップしている。いずれのモデルもスポーツカーとしての卓越したパフォーマンスと、長距離ドライブでの快適性を兼ね備えたGTモデルである。

新型グラントゥーリズモは「人生を彩る快適なツーリング」というコンセプトを具現化し、さらに革新的なBEVパワートレインをラインアップするなど、マセラティの未来への前進を象徴するモデルなのである。

新型グラントゥーリズモのデザインは、造形美と機能性を理想的にバランスさせており、過剰な装飾は排除されている。マセラティであることは一目で分かり、このセグメント最高のメカニズムを覆うピュアなフォルムは際立っている。

マセラティ初のEVもラインアップ 新型「グラントゥーリズモ」発表
(画像=V6ネットゥーノ・ツインターボを搭載するグラントゥーリズモ・モデナ、『AUTO PROVE』より引用)
マセラティ初のEVもラインアップ 新型「グラントゥーリズモ」発表
(画像=『AUTO PROVE』より引用)

長いフロント・ノーズと前後左右のフェンダーの中央に位置するキャビンは、マセラティ・ブランドのクルマが持つクラシックなプロポーションを踏襲している。ルーフラインはダイナミックに下降し、アイコンであるトライデントのロゴを配したピラーの曲線が特徴だ。

マセラティ・イノベーション・ラボで開発され、トリノの製造拠点ミラフィオーリで生産されるグラントゥーリズモは、100%イタリア製であり、マセラティの全モデルに共通するコンセプトである「イタリアのラグジュアリー性能」を象徴する存在といえる。

グラントゥーリズモ・モデナは、490psを発生する3.0LのV6ネットゥーノ・ツインターボを搭載し、グラントゥーリズモ・トロフェオはネットゥーノ・エンジンを550psまでチューニングした高性能仕様となっている。

マセラティ初のEVもラインアップ 新型「グラントゥーリズモ」発表
(画像=550psのネットゥーノ・エンジンを搭載するグラントゥーリズモ・トロフェオ、『AUTO PROVE』より引用)
マセラティ初のEVもラインアップ 新型「グラントゥーリズモ」発表
(画像=『AUTO PROVE』より引用)

そしてグラントゥーリズモ・フォルゴレは、大容量バッテリーをと電気駆動パワートレインを搭載している。フォルゴーレは、フォーミュラEで培った最先端の技術で開発された800Vテクノロジーをベースに、300kW(408ps)の強力な永久磁石モーターを3基搭載し、圧倒的なパフォーマンスを発揮することができる。ちなみに0-100km/hは2.6秒という驚異的な加速力を発揮するという。

バッテリーの容量は92.5kWh、放電容量は560kWで、合計約760psを連続的にホイールに伝達することができる。最適なバッテリー仕様と革新的なレイアウトにより、スポーティさを損なうことなく、全高を1353mmと低く抑えている。Tボーンと呼ばれるバッテリーパックの形状は、マセラティの妥協を許さない思想に基づいており、バッテリー・モジュールをシート下に配置せず、主にセンタートンネル周辺に搭載することにより、着座ポイントを低く保っている。

ボディ骨格はアルミニウム、マグネシウムなどの軽量素材と高張力スチールを多用し、さらにこれらのために最新の生産技術を投入することで革新的なボディとなり、クラス最高レベルの軽量・高剛性が実現している。

また同時に最先端の電子プラットフォームが導入され、最大0.002の速度でデータ送信が可能なcanFDを採用。また同時に無線通信によるソフトウエア・アップデート、レベル5という最高水準のサイバーセキュリティも導入されている。

この電子プラットフォームの中核となっているのが100%マセラティ・オリジナルのVDCM(ビークル・ドメイン・コントロール・モジュール)マスターコントローラーで、あらゆる状況下で最高のドライビング・を実現するために、車両の360度方向でコントロールできるソフトウエアを格納しているのだ。

インテリアは、マセラティ・インテリジェント・アシスタント(MIA)マルチメディアシステム、最新のインフォテインメント、主要機能をタッチスクリーン操作に集約したコンフォート・ディスプレイ、デジタル時計、ヘッドアップディスプレイ(オプション)など、モダンで革新的なキャビン・システムを搭載している。

電気自動車バージョン「フォルゴレ」では、マセラティ・イノベーション・ラボが新開発した、マセラティならではの高揚するエンジン音を360度サラウンドで体感できるようになっている。このサウンド・サウンドは、ソナス・ファベール製の3Dサウンドシステムによって実現している。イタリアの音響マイスターによって設計・製造されたこのオーディオシステムは、2段階のカスタマイズが可能で、オプションの最大19個のスピーカーと最大1195Wの出力を持つ3Dサウンドにより、奥行きがあり、丸みのあるサウンドを実現している。(標準仕様は14スピーカー/860W)

なお新型グラントゥーリズモは発売時には、創立75周年を記念した限定シリーズ「プリマセリ 75th アニバーサリー ローンチエディション」も用意されている。

提供・AUTO PROVE

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