今後ユベントスの浮沈の鍵を握るのは
中盤におけるボールの預けどころとして機能していたアンヘル・ディ・マリアを出場停止で欠くなか、ミラン戦ではカウンターに活路を見出したユベントス。自陣からのパスワークにおけるロカテッリ、ラビオ、クアドラードらの奮闘も光ったが、ミランのプレッシングを攻略するにはあと一手が足りなかった。
この試合でユベントス陣営に足りなかったのは、ブレーメルとレオナルド・ボヌッチの2センターバックによるボール運搬。彼らが自らボールを運び、相手の中盤の選手を釣り出そうとする場面が少なかった。
象徴的だったのが、ユベントスが自陣後方でボールを保持した後半20分25秒以降のシーン。ここでもセンターバック同士のパス交換が行われたが、彼らによるボール運びは見られず。ブレーメルがセンターサークル内にいたファビオ・ミレッティに縦パスを送ったが、ミランの選手たちに囲まれ、効果的な攻撃に繋がらなかった。2センターバックがもう少し横に開き、相手のFWアンテ・レビッチが一人で追いきれない距離感を確保したうえでブレーメルとボヌッチのどちらかがボールを前に運んでいれば、局面が変わっただろう。
![](https://football-tribe.com/japan/wp-content/uploads/sites/23/2022/09/GettyImages-1421414015.jpg)
また、ブレーメルは後半5分00秒にロカテッリがポベガのマンマークに遭っているのにも関わらず、そこへのショートバスを選んでしまっている。ロカテッリがボールを失わなかったため事なきを得たが、ミランのカウンターを浴びてもおかしくない場面だった。このような危ないシーンを減らすという意味でも、今後はセンターバックによるボール運搬を織り交ぜる必要がありそうだ。
長年ユベントスの最終ラインを牽引している重鎮DFと、前所属先のトリノで評価を上げ、今夏に鳴り物入りで加入した25歳のブラジル人DFが、今季のビアンコネロ(白と黒。ユベントスの愛称)の浮沈の鍵を握るだろう。