新型コロナウイルスの水際措置が10月11日から全面的に見直され、ようやく訪日旅行が本格的に動き出す。市場回復の妨げとなっていたビザ取得が不要となり、個人旅行が解禁される。1日当たり5万人の入国者数上限も撤廃され、すべての空港と港で国際線の受け入れが可能となる。これを受け、日本政府観光局(JNTO)は航空会社・旅行会社との共同広告を中心としたプロモーションを本格的に再開すると表明。イメージ訴求の情報発信から誘客・販売促進へ移行する。

水際対策緩和で外客誘致本格化 地方空港や港も全面再開へ 受け入れ体制には懸念
(画像=『トラベルジャーナル』より 引用)

 ワクチン3回接種の制約は残るものの、すべての入国者について入国時検査を廃止し、宿泊施設での待機等も求めない。国際線の受け入れは今後の就航予定に応じて準備が整い次第、順次再開する。現在は10空港に限定され、なかでも首都圏や関西など大都市に利用が集中している。コロナ禍初頭から2年半途絶えていた国際クルーズもようやく再開にこぎ着けることとなる。

 規制緩和を受けて海外市場は即反応した。旅行データ分析のアダラによると、政府が発表した9月22日以降、訪日旅行の検索・予約は前年同期比で約200%以上と急上昇した。特に週末を含む旅程の3人以上のグループで伸び、アジアで顕著だという。ただ、アジア各国ではすでに海外旅行が活発になっており、受け入れ再開が早かった豪州はコロナ前の8割に回復するなど競争は始まっている。

 今後懸念されるのは、訪日客の増加に受け入れ側の体制が追いつけるかだ。コロナ禍で深刻な打撃を受けた観光産業は廃業や業態転換、人材流出など課題を抱える。特に宿泊や飲食、ガイド業は人手不足が指摘されており、市場の回復とともに課題がより顕在化することが予想される。

提供元・トラベルジャーナル

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