イオンが発表した2022年3〜8月期の連結業績は、売上高に当たる営業収益が前年同期比3.3%増の4兆4871億円、営業利益が23.3%増の958億円、純利益は約4倍の180億円と増収増益だった。
感染症拡大に伴う行動制限の緩和でGMS(総合スーパー)やショッピングモールなどの客足が回復したことに加え、中四国を地盤とするフジを連結化した効果もあった。営業収益、営業利益、純利益はいずれも上期としては過去最高となった。
GMS事業の営業収益は2.0%減の1兆5988億円、営業損益は37億円の赤字だった。コスト削減効果などで、赤字幅は前年同期に比べて123億円縮小。中核企業であるイオンリテールは43億円の赤字だったが、142億円の利益改善効果があった。
サービス・専門店事業の利益改善も連結ベースでの増益に貢献した。アミューズメント施設などを運営するイオンファンタジーが過去最高益を達成したほか、1月に100円ショップのキャンドゥを子会社化した効果もあり、同事業の営業利益は74億円改善し、59億円の黒字に転じた。
SM(食品スーパー)・DS(ディスカウントストア)事業は、フジの連結効果で営業収益は2.9%増えたものの、前期までの内食需要拡大の反動が出て、営業利益は39.7%減の85億円と大幅な減益だった。
ドラッグストアのウエルシアホールディングスが中心のヘルス&ウエルネス事業、イオンモールを中心とするディベロッパー事業、主に中国・東南アジアで事業展開する国際事業は、増収増益と堅調だった。クレジットカードなどの総合金融事業は投資負担の増加などで減益となった。
23年2月期通期の連結業績については、従来予想を据え置いた。営業収益は9兆円、営業利益は20.5〜26.2%増の2100億〜2200億円、純利益は約3.8〜4.6倍の250億〜300億円を見込む。
提供元・DCSオンライン
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