一連の動作とそのポイント。「けん玉を一番近い軌道で入れる」イメージで「上下の動き」を
①ファーストプル(下半身に力を溜める)
しっかりと胸を張る。この「胸を張る」ことで骨盤がほどよく前傾し、重心を落とせるようになる。重心は足裏全体に。腕はリラックス。腕が力んでいると下半身に重心を落とせない。肩は前に出さない
上半身の姿勢は崩さずに、足裏全体でしっかりと地面をとらえたまま踏み込んで、デッドリフトの要領でゆっくりと引き上げる。これは、ジャンプする際の「溜め」の動作と同様。バーは膝を通過するまではスローに引き上げる
②セカンドプル(真下に踏み込んで真上に伸びる)
バーが膝を通過したら真下に踏み込んで真上に伸びる。股関節と膝関節を伸展させて上方向に爆発させる。身体は後ろにいきすぎないように。あくまで「真下に踏み込んで真上に伸びる」。このとき「股関節で弾いてバーベルを挙げる」と解釈されがちだが、これは股関節が伸展してバーに当たっているだけ。バーの軌道はあくまで鉛直方向で、身体から離れないように。股関節で弾くとバーが身体から離れてしまう
③キャッチ(「股関節に乗せる」イメージでバーをキャッチ)
肩を返して肘を引いてバーをキャッチする。バーを「受け止める」というよりも「股関節に乗せる」。動作全体としては、持ち手から一番近い軌道でけん玉を入れるイメージ
下ろすときは「逆再生」で
正しい軌道とエラー動作
その他の注意点
・パワーラックで行う場合は、バーベルを落とすことができないので「キャッチ」まで行わなくてもよい。セカンドプルまで練習し、プラットフォームなどバーベルを落とせる練習環境で行う際に「キャッチ」までつなげていく
・シューズは必ずしもカカトの高いウエイトリフティングシューズでなくても大丈夫。ただしウエイトリフティングシューズのほうが地面をとらえやすい
・扱う重量はレベルに応じて。始めたばかりで20㎏のオリンピックシャフトが重たい場合は、木製のスティックなどでもよい
スタートでお尻の位置が高い
お尻の位置が高いと膝が伸びてしまい、下半身に力を溜めることができない。すると、上半身で煽って引き上げることになり、バーの軌道が「上下の動き」ではなく「前後の動き」になってしまう
バーベルの位置が離れている
バーベルの位置が離れていると、その距離の分だけ力が伝わりづらくなる。例えばアームカールの動作の場合、身体から肘が離れると同じ重量でも重たく感じるが、それと同様
バーが身体が離れる
バーが膝を超えてから身体から離れると、股関節で弾いて上げることになる。バーは膝を超えてから下半身にしっかりと乗せていくように
肘で引いていない
本間智也(ほんま・ともや)
1986年4月24日生まれ。身長176cm、体重75kg。山形県出身。クイックリフト&ウエイトリフティングコーチ、パーソナルトレーナー。レスリング、競輪、水泳、スキーモーグルなどの日本代表選手の指導も行う。
主な戦績:
2009 アジアウエイトリフティング選手権 日本代表
2015全日本ウエイトリフティング選手権大会77kg級 優勝
自己ベスト スナッチ146kg クリーン&ジャーク180kg
トレーニングに関する質問、依頼などはインスタグラムDMより受付中。
執筆者:藤本かずまさ
IRONMAN等を中心にトレーニング系メディア、書籍で執筆・編集活動を展開中。好きな言葉は「血中アミノ酸濃度」「同化作用」。株式会社プッシュアップ代表。
提供元・FITNESS LOVE
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