「スモールマス」をとらえた商品開発を志向へ
こうした新たな開発コンセプトや開発体制のもと、実際に下期から新たな商品を順次投入していく計画だ。
なかでも力を入れるのががチルド総菜シリーズ。中食需要が高まるなかでここ2年間で売上が1.3倍に伸長しているという同シリーズを「全面刷新」し、よりおいしさを追求した商品を展開していく。
同シリーズの中でもとくに人気の高い「プロのひと品」では、日本料理店「分とく山」の野崎博光総料理長、イタリア料理店「アクアパッツァ」の日髙良実オーナーシェフ、中華料理店「慈華」の田村亮介オーナーシェフと、いずれもミシュランの星付き有名料理店のシェフが監修した本格的な味わいのメニューを展開する。

このほか、コロナ禍で健康志向がさらに高まったなかで、「ヘルシー」を軸とした商品ラインアップの強化も図る。
たとえば、イタリア産の白トリュフエキスオイルと黒トリュフ塩を使った「ミックスナッツ」、ドライフルーツに最適な品種を選定した「ドライマンゴー」など、原料と味付けにこだわった商品を展開。また、添加物フリーの商品として、トウモロコシと揚げ油と塩だけで加工した「トルティーヤ」、プロテイン独特の匂いを抑えた「プロテインヨーグルト」などを順次発売していく計画だ。

イオントップバリュ取締役商品開発本部長の小野倫子氏は、「消費者のニーズが多様化するなかで、『スモールマス』に合わせていろいろな商品をつくっていかなければならない。お客さまの日々の変化に合わせて、商品を進化させていく」と力を込める。スモールマスをとらえた商品開発を継続し、トップバリュのブランドパワーを向上させることはできるか。その手腕が問われる。
提供元・DCSオンライン
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