初めにやるべき最低限の設定は?
GoogleアナリティクスとGA4の違いがわかったところで、最低限やっておくべき設定を解説します。
まずは、Googleアナリティクスのアップグレード版とはいえ、GA4のプロパティを新しく作成する必要があります。
プロパティを作成しタグを設定する
Googleアナリティクスの「管理」→「GA設定アシスタント」から、GA4プロパティを作成します。その後、GA4の「管理」→「データストリート」から、「タグ」をコピーしサイトに設置しましょう。
サイトの貼り付け作業を間違ってしまうと、サイト表示に不具合が発生する可能性があります。必ずバックアップをとってから作業するようにしてください。
また、GTM(Googleタグマネージャー)を利用していれば、より簡単に設置が可能です。コンテナ内にある「タグ」→「新規」から、「タグの設定」→「GA4設定」を選択します。IDを求められますので、先ほどの「G-」から始まるIDを入力し、配信トリガーに「All Pages」を追加すれば完了です。
ダッシュボードの作成
Googleアナリティクス4プロパティを作り、タグを埋め込んだだけでは、データは全て蓄積されません。詳細を分析するための、ダッシュボードを作成しておきましょう。
GA4「設定」→「カスタム定義」の「カスタムディメンションを作成」→「イベントパラメータ」から
データを選択します。データが飛んで来ていると、プルダウンで選択可能になります。「ディメンション名」を入力し保存しましょう。
最大50件まで保存可能なため、必要に応じてデータを選択しましょう。
データが蓄積されはじめると、「イベント」一覧が表示されていきます。これらのデータ取得設定をするかしないかで、確認できるデータに差がでますのではじめにやっておくべきでしょう。
ナイルの予測「GA4を取り巻く動向はどうなる?」
ここまで読んでいただいた方は、「なぜここまで仕様を変えて、GA4にアップデートしたの?」と疑問に思う方もいるかもしれません。今後の動向を予測するには、まずその理由を解説しなければなりません。
そもそも、なぜGA4にアップデートしたのか
Googleが、GA4にアップデートしたのは、世界的なプライバシー保護強化をする動きが原因となっています。例えば、GA4がデータ保持期間を設けたのも、必要最低限のデータ取得する仕組みになったのも、GDPR(EU一般データ保護規制)などの国際的なデータ規制に準拠するためです。

GDPR, concept isometric illustration. General Data Protection Regulation. Protection of personal data. Computer monitor and lock. Vector emblem, isolated on white background.
これらの状況から、世界ではGoogleアナリティクスに変わるWeb解析ツールへ移行する動きもみられ、多くのツールベンダーが登場しています。
今後の予測
日本では、ツールを移行する動きは少数派で、Googleが主力です。弊社では大多数の企業はGoogleアナリティクスからGA4へ移行すると予測しています。
現在のGA4導入率についてナイルが2022年7月に調査したところ、導入率は57.8%でした。約半数の企業がGA4未導入であり、今後1年は多くの企業がGA4移行に必死になるでしょう(出典元:GA4導入状況に関するアンケート調査【2022年7月実施】)。
また、すでに「データ計測が正しくできていなかった」といった、導入後の問題も起きています。GA4の場合、データが収集・蓄積できていなければ、分析自体ができません。そのため、まだ設定していないという方は、なるべく早くGA4でデータ収集を始めることを推奨します。
設定後も、正しくデータ収集できているかしっかり確認することが重要です。「うまくデータ計測ができていないかも……。」「14ヶ月以降のデータをどうやって保存したらいいかわからない……。」といった疑問や不安がある方は一度、専門知識のある人に相談してみるといいでしょう。
一方で、従来のGoogleアナリティクスならではの機能も存在します。サポート終了までの間は、GoogleアナリティクスとGA4、2つのデータ解析ツールを併用しながら、問題が起きても分析に支障がでない体制を作っておきましょう。
<著者プロフィール>
清水拓也
ナイル株式会社 デジタルマーケティング事業部
サイト改善ユニット マネージャーWEBマーケティング企業を経て、2018年よりナイルに入社。
WEB制作・ディレクション業務の経験を活かして、クライアントニーズにフォーカスしたWEB分析を行う。
A/Bテスト利用した分析提案を軸に課題点の早期発見と高速PDCA提案に取り組む。