東急ハンズは、昨年ベイシアグループの主要事業会社であるホームセンターチェーンのカインズ(非上場)に買収された。今年の3月31日に東急不動産ホールディングとの資本関係がなくなり、新社名が注目されていたが、大方の予想通り「東急」がとれて、「株式会社ハンズ」となることが9月26日に発表された。

東急ハンズは、1976年に東急グループの多角化事業の一環でDIY(Do it yourself)を中心としたライフスタイル提案型ショップとしてスタートした。コンセプトや「手」のロゴマーク、店名などはファッションプロデューサーの渋野安弘氏が手掛けたものだ。DIYの先駆的な存在として、その後西武グループのロフトなどの追随企業を生むことになった。この「ハンズ」の手をイメージしたロゴマークは、蓮の上の釈迦の手をモチーフにしたもので、「手の復権」という意味が込められている。店名は恐らく法人名と同じ「ハンズ」が用いられることになりそうだが、ロゴマークについては、今後決定されるようだ。是非「手」のイメージを使ってほしいものだ。

東急ハンズの2022年3月期の最終利益は47億円の赤字で、3期連続の最終赤字だった。カインズ傘下で再建を進める。

カインズは、ホームセンター業界の最大手で年商4854億円(2020年-2021年)、ただし第2位のDCMホールディングス4711億円、第3位のコーナン商事4420億円、第4位コメリ3857億円と上位はせり合っている。また、ホームセンター第8位の島忠がインテリア最大手のニトリに買収されて非上場化するなど再編が進んでいる。その中で非上場企業のカインズ(本社埼玉県本荘市)はベイシアグループの中核企業である。ベイシアグループは31社の企業数を構え、約2000店舗、グループ年商1兆円、従業員数2万7898人(いずれも2022年2月末)を擁する。カインズの他には、作業衣メーカーで最近アパレル事業に参入して華々しい成果を収めているワークマンがある。今後グループのさらなる相乗効果が期待できそうだ。

文・三浦彰/提供元・SEVENTIE TWO

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