在来種絶滅の可能性も
さらに、外来種個体と在来種個体の交雑によって生まれた雑種個体がもし不妊性であれば、もともとの在来種にとっては配偶子(卵子もしくは精子)の無駄遣いになってしまい、種の勢力が減ってしまうことになります。逆に妊性を持っていても、そのような雑種個体と在来種個体が交配する(戻し交配)ことが繰り返され、それによって外来種の遺伝子が在来種の個体群内に広がる「遺伝子浸透」が起こってしまいます。
結果として遺伝子汚染は最終的に在来種の個体群のほぼ全体に及び、その地域は「雑種しかいない」状態に。結論的には「在来種が絶滅」してしまう形となるのです。
このように、外来種を自然界に逸出させることは、その地域に「在来種の絶滅」という最悪の影響をもたらしてしまうリスクがあります。絶対にやってはいけない行為なのです。
サカナの『養殖』を取り巻く環境と現状 遺伝子汚染のリスクとは?
日本の自然環境を蝕む「第三の外来種」問題 問われる飼育者のモラル
『ゲノム編集』魚は市場に受け入れられるか 遺伝子組み換えと混同も
<脇本 哲朗/サカナ研究所>
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