今年から新たに開催されたYZF-Rサーキットチャレンジは、YZF-R25 / R3オーナーを対象に年3回のレッスンを通じて楽しく安全にライディングテクニックを上達させることを目的としたヤマハが主催するライディングスクールイベントだ。実は5月に開催されたSTEP1に参加していた私が、7月末に開催されたSTEP2にも実際に参加してきたので、今回はその様子をお届けしていこう。

YZF-R Circuit Challenge : impression】

気軽に参加できる充実のサポート体制

今年の7月末、朝は薄曇りでも気温はぐんぐん上がり、開会式の時間には体感にして既に30度近くなっているように感じた開催日当日。このイベントはYZF-R3/R25の新車・中古車を全国のYSPで購入された方が参加条件となっており、会場となる筑波サーキット コース1000には若者からベテランまで、すでに多くのYZF-R3/R25が集結。

第一回目と同じく、サーキット走行に対応したレーシングスーツやグローブ、ブーツや胸部・脊椎プロテクターなどの装備は事前に申請しておくことでレンタルすることもできるので、街乗り~ツーリング装備で身軽に参加するライダーも多く見られた。

受付を済ませた私は早速レンタルしたレーシングスーツに着替えていったのだが、真夏日にレーシングスーツとプロテクションの装備は思っている以上に暑い…。

こんな時に参加者向けに用意されたお茶やスポーツドリンク、大型の扇風機やスポットクーラーから塩分補給用のタブレットまで用意されているのは大変ありがたい。

また、受付では手荷物などを預かってもらえるクロークサービスも行っているので、自走での参加時も心強いサポート体制だ。

極限まで低く設定された参加ハードル

早に開会式を終え、ヤマハオリジナルの「Revストレッチ」を行ったあとは早速コースに入っての走行となる。
ここからは午前3回、午後2回の先導付きコース走行を通してライディングテクニックの向上を目指していく。

ライディングを教えてくれるのは、YAMALUBE RACING TEAMの監督も務めていた難波恭司さんを校長として、現役ライダーをインストラクターに迎えた豪華な講師陣。

実際に参加してみて感じたのは、これだけの内容に3,000円(昼食・保険費用含む)という破格すぎる参加費で手軽に参加できるライディングスクールをメーカーが主催してくれるというのは本当に素晴らしい取り組みだ。

こうして参加ハードルを極限まで低く設定することによって、ライディングスキルの向上を通じてYZF-Rシリーズのさらなる人気に繋がっていくだけでなく、バイクを購入後にライディングスキルのさらなる向上を目指しているのであれば、当イベントに参加するためにYZF-R25 / R3を購入するという選択肢も大いにアリではないだろうか…?

スキル向上に直結する、内容の濃い講習内容

コース走行は基本的に参加者全員がバラバラに走っていくのではなく、1グループ5人程度の2グループに分かれたそれぞれのグループには講師が先導を務め、講師のライン取りやブレーキポイント、乗車姿勢が伝言ゲームのように後方のライダーに伝わっていく。まずはじっくり慣熟走行から、周回を増すごとに少しずつペースを上げていく。ただし、自分には速いと感じた場合や怖いと感じたら無理についていかなくても良いとの説明を事前に受けることに加えて、数周走ったらパドックに戻り、今のペースで問題ないか、グループ内の走行順はこのままで良いかなど、フレンドリーで親しみやすい講師陣が優しく声をかけてくれるので、これならライディングに自信がない人でも安心して参加できそうだ。

また、走行の合間にはライダーに合わせたポジションセッティングや後ろからイントラに走行を見てもらい、個別にアドバイスをもらえる機会もあり、昼食を挟んだ午後にはライン取りや目線といった、より本格的な座学講習が難波校長直々に行われた。さらに、座学の後には実際にコースへ入り、コースの内側からイントラによるデモ走行を間近で見学できるなど、理解力が高まる講習内容の濃さはライディングスキルの向上に直結していく。

午前の走行。右コーナーから左の連続コーナーへ繋がるセクションは、速度を落としすぎずにクリアするのが難しいポイント
午後の走行では目線をさらに遠く、ライン取りも意識できたおかげでスロットルを開けていられる時間が長くなった

成長や挑戦を一緒に楽しめる仲間が増える

1日のレッスンを通して、ライン取りや目線といったソフト面はもちろん、走行の合間に自分に合わせたレバーやステップ位置、タイヤの空気圧などハード面の調整も入ることによって、午前の走行と比べてかなり思い通りにバイクを操れるようになった事が実感できる。自分の癖やバイクの気になる挙動など、些細なことでも気軽に講師人に相談でき、次の走行回ですぐに試すことができるという特殊な環境では問題提起から解決までのサイクルが速いので、日頃から気になっているポイントなどをイベント前にまとめておくのも良さそうだ。

暑さこそはあったものの、心地良い疲労感に包まれながら参加者の満足気な表情を見ていると、YZF-R Circuit Challenge STEP1に続いてSTEP2についても非常に有意義な1日になったと感じているのは私だけではないのだろう。

当イベントを通してのライディングスキル向上はもちろんだが、R3/R25オーナー限定のイベントだからこそのオーナー同士のコミュニケーションや一体感は、共通のバイクを所有する者同士という以上に成長や挑戦を一緒に楽しめる仲間が増える素敵なイベントだと感じることができた。

YZF-R Circuit Challenge 公式HPはこちら