満ち潮なのに流れは沖へ
午前10時すぎにりんくう常滑釣り護岸に到着、早速サオを出す。海は茶色に濁っている。100mほど投げてキスを誘う。釣れてきたのはハゼでキスの姿は遠かった。
午後2時、本来なら満ちの大潮が勢いよく名古屋港へ向かって流れるはずだが、様子がおかしい。満ち潮なのに、潮の流れは名古屋港から沖へと逆に流れる。「そんなバカな」と否定しても、目の前の潮は湾奥から沖へと流れている。この日も次の日もこの潮の流れは変わらなかった。
つまり、満潮だろうが干潮だろうが、潮の流れは湾奥から沖への一方通行。こんなことは長い釣り人生で初めて。満ち潮の勢いより木曽三川から流れ出る水量が上回ったとしか考えようがない。
木曽三川の流量が満ち潮を押し戻した?
帰宅後、木曽三川の平均流入量を調べてみた。伊勢湾環境データベースの資料によれば、平成14~26年の6~8月における河口付近の年平均流量は、木曽川345.6立方m/s、長良川167.9立方m/s、揖斐川93.5立方m/sとある。三川を合計すると1秒間の水量は約600立方m/sとなる。Sはsecondの略で「秒」を表わす。1時間に換算すると600×60×60≒210万立方mにもなる。
通常はこの水量を押し戻して湾奥へ向かう満ちの潮の流れがある。この日は満ち潮を押し戻すほどの河川の流量があったと思われる。こんなこと見たことありますか!?
肝心のキスの釣況は芳しくなかった。これほどの水が出ると海水の塩分濃度はバランスを崩す。今回キスが少なかったのはこの影響だと思う。ハゼは汽水域を好み、キスはこれに慣れるのに時間がかるからだ。
知多半島のキスは、天候に左右されるが9月いっぱい釣れ続ける。キス釣りに行くなら今だ!型も良く、ポイントも近い。キスは濁りと雨を嫌うから、釣行日の前の天候を注視しよう。
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<週刊つりニュース中部版APC・JOFI愛知・大田豊明/TSURINEWS編>
美浜町から常滑の海岸