毎年発生する「自動車税」。自動車税は4ナンバーで貨物車登録すると安くなることがあるのはご存じでしょうか。加えて、軽自動車だけでなく普通車を4ナンバーにすることもできます。今回はそのための条件を解説していきます。

自動車税は4ナンバー貨物車登録したほうが安い?
軽バン

「自動車税」は、毎年4月1日時点で車を所有していると発生する税金です。3ナンバー(普通乗用自動車)や5ナンバー(小型乗用自動車)の普通車の場合、自動車税は排気量に応じて決まります。一方、4ナンバー(小型貨物自動車)の場合、積載量に応じて決まります。

例えばトヨタ・ノア(2代目)は、排気量2,000㏄、最大積載量440kgとなります(ただしグレードによっても差があり)。普通車の場合の自動車税は、排気量が2,000㏄のため「1.5L超2L以下」の区分に該当し、年間39,500円となります。一方、4ナンバーで貨物車登録すると、最大積載量250kgのため「1t以下」の区分に該当し8,000円となります。

このように、一般的には普通車を4ナンバー貨物車登録すると、自動車税は安くなることが多いです。もちろん例外車種もあります。

同時にデメリットもあり、4ナンバー貨物車登録すると、「自賠責保険料や任意保険料が高くなる」、「車検が1年に1度必要になる」など、別の部分で費用が発生することがあります。

普通車も4ナンバー貨物車登録できる!その条件は?
軽バン

4ナンバーの貨物車登録というと軽バンなどのイメージがありますが、前述したトヨタ・ノア(2代目)のように、普通車でも貨物車登録することは可能です。

ただし、4ナンバー貨物車登録するには、以下のような細かな条件があります。

・貨物車として物を運ぶことを前提に作られていること
・全長4,700mm以下、全幅1,700mm以下、全高2,000mm以下
・排気量2,000cc以下
・荷物を載せるスペースの床面積が1平方メートル以上(軽自動車の場合は0.6平方メートル以上)
・座席スペースより荷物を載せるスペースが広いこと
・乗車する人の重さが荷物の積載可能重量よりも軽いこと(乗員一人55kgとして計算)
・荷物の積卸口は縦横80cm以上あること(トラックを除く)
・人後部座席と荷物を載せるスペースの間に保護仕切りや壁などがあること(最大積載量500kgの場合は座席で守られている必要あり)

たとえばトヨタ・ノア(2代目)であれば、ボディサイズや排気量はそのままで問題ありません。しかし、荷物を載せるスペースなどの条件を満たすために、3列目シートを外すなどの作業が必要になります。その上で構造変更車検を取得をすることで4ナンバー貨物車登録が行えます。車によってはさらに大掛かりな改造が必要なこともあります。

一方で、軽バンのような車は、もともと4ナンバーを想定して設計されているため、とくに自分で手を加えなくとも、構造変更車検を取得するだけで4ナンバー貨物車登録が可能です。

以上のように例外もありますが、たいていの車は4ナンバー化にすることで自動車税を安くすることができます。ただしその分、自賠責保険料が高くなったり、車検が1年に1回発生するデメリットもあり、車によってはリアシートを撤廃するなどの作業も発生するため、その点は頭にいれておく必要があります。