上田綺世 写真:Getty Images

 サークル・ブルッヘ所属のFW上田綺世(23)はFIFAワールドカップ・カタール大会の日本代表メンバー当落線上とみられる中、今月下旬にドイツで行われるキリンチャレンジカップ2試合に招集されている。しかし、現地では同選手の日本代表招集に対する否定的な見方が広まっているようだ。

 上田綺世は今年7月1日、明治安田生命J1リーグの鹿島アントラーズからサークル・ブルッヘへ完全移籍。当初は本職ではないトップ下での起用がつづき物議を醸していたが、先月からトーゴ代表FWケビン・デンキー(21)との前線2トップコンビが定着している。

 また先月27日のジュピラー・プロ・リーグ(ベルギー1部)第6節・ズルテ・ワレヘム戦で移籍後初ゴールをあげたほか、今月17日の第9節・KVオーステンデ戦では今季2得点目をマーク。ただチームは直近7試合で3分4敗と苦しんでおり、18クラブ中17位に沈んでいる。

 その中、ベルギーメディア『VOETBAL』は「リーグ戦でのスタートが悪いのに、サークル・ブルッヘはかなりの数の代表選手を抱えている」と皮肉めいた見出しをうち、上田綺世やデンキーらの代表選出を紹介。「サークル・ブルッヘの今シーズン序盤は、これ以上ないほど悪いものだった。しかし現在、6人以上が代表招集によりチームを離れている」と綴っている。

 そしてKVオーステンデ戦の引き分けについて「KVオーステンデ戦では2-0のリードを生かせず、多くの選手が自暴自棄になった」と酷評。さらに得点数がリーグワーストの5ゴールにとどまっていることについては「ケビン・デンキーはすでにPKを含むいくつかの決定機を外している。上田綺世もゴールマシーンにはまだなっていない」と前線2選手の決定力をやり玉にあげている。

 なお上田綺世は昨年、U24日本代表の一員として東京五輪に出場。カタールW杯アジア最終予選では10試合中2試合に出場したほか、今年6月のキリンカップサッカー2022ではガーナ戦のみプレーしている。

 カタールW杯出場枠を巡る争いが激しさを増す中、上田綺世には今月の代表戦2試合のほかにサークル・ブルッヘでも結果を残すことが求められる。