技術の発展により、オフィスにて顔認証デバイスや照明・空調の制御システムを導入するなど、ビジネス現場でのIoT化が進んでいる近年。

オフィスを利用するなら、最新の技術を取り入れたオフィスで快適に仕事をしたいという人もいるのではないでしょうか。

久武正明建築設計事務所株式会社(以下、久武正明建築設計事務所)が手がけた奈良県・大和高田市の「ナカガワセンチュリ記念館」は、最新のIoTを活用したスマートオフィス。非接触型のシステムをはじめ、さまざまな技術を採用しています。

顔認証システムでスマートに入館

株式会社ナカガワの創業100周年を記念して建てられた「ナカガワセンチュリ記念館」は、オフィスを中心とした複合施設。自然を五感で感じられるサステナブルな環境と、テクノロジーを活用した非接触の環境を備えています。

たとえば、偽造の心配が少ない顔認証システムを採用。同システムはカメラに顔を向けると認証が完了するため、どこかに手を触れることなく入室でき、同時に体温検知も可能です。

打ち合わせ室には、“マスキング音”を使用して会話をカモフラージュするシステム「サウンドマスキング」を採用しています。マスキング音は森の音、川のせせらぎなど自然の音を素材に作製した環境音と、楽音や電子音などの演出音で構成したサウンド。

マスキング音をスペース内に流すことで、会話への注意を逸らします。

スマホで照明・空調を調整

顔認証システムやサウンドマスキングのほか、個人のスマートフォンからの操作により建物内外のどこからでも照明・空調を調整できるシステムを採用。

さらに、ボタンに手をかざすだけで操作できる非接触ボタン搭載エレベーターも導入しています。

どちらのシステムもスイッチやボタンに触れる必要がないため、衛生を保ちながら感染症のリスクを避けられるでしょう。

(文・Haruka Isobe)