サムスン電子がモバイルアプリケーションプロセッサー(AP)シェア反騰のための戦略修正に突入した。APはスマートフォンなどモバイル製品の頭脳の役割をする核心システム半導体だ。韓国メディア「news1」が報じた。(写真:サムスン電子DS部門キョン・ゲヒョン社長=news1)

高性能中低価格AP製品群を強化してシェアを増やすものの、中長期的には製品ポートフォリオ調整を通じて効率的な資源配分に集中するものと見られる。ある業界関係者は「システムオンチップ(SoC)を開発するサムスン電子システムLSIのポートフォリオが開発人材や資源を考慮すれば広い方」とし「競争力強化のために多方面で戦略が検討されていると理解している」と述べた。弱点とされるプレミアムAP市場では、Galaxy専用チップの開発で対応するものと予想される。

18日業界によると、サムスン電子DS部門のキョン・ゲヒョン部門長(社長)は今月7日、サムスン平沢(ピョンテク)キャンパスで開かれた記者懇談会でサムスン電子のAPブランド「エクシノス」と関連した内部戦略の変化があるという点に言及した。

キョン社長は「開発人材や投入資源などを問い詰めればシステムオンチップ(SoC)だけを見てもライバル会社の3分の1水準」とし「現在の力量で最もうまくできることは何か、どこに集中しなければならないか、集中を通じて競争力を回復する方案は何か悩んでいる」と述べた。

先立って今年上半期に4ナノファウンドリ(半導体受託生産)で生産されたエクシノス2200が歩留まり問題でGalaxy S22大量搭載に困難を経験し、最近数年間シェア下落も続く状況で事業不振を回復するための色々な方案を検討しているという意味と解釈される。

実際、今年に入ってサムスン電子のエクシノス事業戦略には変化が感知される。まず、高性能中低価格製品群を強化する動きが目立つ。

市場調査会社のオムディアによると、第2四半期の世界モバイルAP市場で、サムスン電子の出荷量は前期比53%増となった。前四半期に4%台まで下落したシェアも3%p上昇し、7.8%を記録した。サムスン電子が今年に発売したエクシノス1280がGalaxy A53 5GとA33 5Gに、2020年発売したエクシノス850がGalaxy A13などにそれぞれ搭載された結果だ。

業界では中低価格AP強化の動きについて、シェア回復と同時にプレミアムAP競争力を引き上げる時間を稼ぐための戦略と解釈する。サムスンスマートフォンのポートフォリオでも中低価格製品が増えているうえに、OVX(OPPO・VIVO・シャオミ)に代表される中華圏メーカーの製造物量も該当価格帯に集中しているという点で潜在力の高い市場だ。

高価AP市場ではGalaxy専用チップ開発に集中するという見通しも出ている。サムスン電子のノ・テムンMX事業部長(社長)は先月、米国ニューヨークで開かれた「Galaxy UNPACKED 2022」イベント直後に進行された記者懇談会で「Galaxy専用AP」開発と関連して「色々なパートナー社と議論し検討している」と答え、専用チップ開発を既定事実化した。

半導体事業部とMX事業部が設計から商用化過程まで一緒に開発できるだけに、従来の汎用チップ開発よりさらに多くの資源を活用できるという点が長所だ。サムスン証券のファン・ミンソン研究員は「過去に協力してきたスマートフォン開発と半導体開発のシナジー効果を再び改善するという意味と判断される」と述べた。

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