まったく同じ車でも欧州仕様の日本車のオイル交換時期は2万キロ程度に設定
欧州では、エンジンオイルの交換時期は1.5〜2万kmに設定されるのが一般的です。かつての日本車は5,000km毎の交換、(ディーゼル車やターボ車はもっと短い距離で交換)が当たり前でしたが、欧州で交換サイクルが短い車は「オイル交換の手間と費用が掛かるダメ車」と評されてしまうそうです。
よって、同じ日本車でも日本国内向けが1万km、欧州向けでは2~3万kmに設定されていることもあるようです。
また、高速走行の機会がはるかに多い欧州では、高性能オイルがメーカー推奨オイルになっていますし、エンジンの冷却性をアップさせ油温を低減させたり、エンジンの密閉性を高めて酸化も防ぐなど、さまさまな対策が施され、交換サイクルを伸ばしています。
通常の使い方で、3,000〜5,000km毎に交換など、欧州の人から見たら「新品のオイルを捨てている」ようなものでしょうね。
【動画】欧州車は交換時期が長いとはいえ13万キロ無交換だとエンジンはどうなる?
思わず目を覆いたくなる光景です。こちらは、新車時から一度もエンジンオイルを交換することなく13万kmも走り続けたエンジンの姿です。
さて、この車はなんだかおわかりでしょうか?ものすごい汚れ方ではありますが、挟角のV型6気筒エンジンということは辛うじてわかりますね。
答えは、初代アウディTT。エンジンはVWゴルフ R32やアウディ S3などの上級グレードにも搭載されるバンク角15度の狭角が特徴的な3,200ccのVR6エンジンで、DSGと呼ばれるセミATを組み合わせたTTのトップグレードです。
カムカバーを開くと内部は黒い物体=スラッジがカムシャフトや壁面にこびりついた状態となっています。このスラッジとはヘドロのようなもので、ピストン、燃焼窒、吸排気バルブに堆積する残留物です。カーボンやエンジンオイル中の灰分が蒸し焼き状態になり固まって形成されます。
エンジンオイルには清浄機能もありますが、さすがに13万kmも走った状態では難しいでしょうね。