当日の釣況
ハゼは全体的に食い渋っていた。ポイントを移動しながらハゼの魚影の濃いところを探し、そこで集中的に実釣テストを行う。
最初の1時間ほどは、1回の投入ごとにイシゴカイ→赤イソメ→イシゴカイとエサをかえて打ち込み、ハゼの釣れ方を調べた。いつもと違う釣り方をするので若干手返しが悪くなってしまう場面もあったが、そのテストの中で、イシゴカイの方が投入後に魚信が出るのが早く、また食い込みに勝っていること(ハリを飲まれることが赤イソメより多かったのでそう判断した)、逆に赤イソメはイシゴカイに比べより型のいいものがくるという傾向が鮮明に表れた(当日の最長サイズの15.5cmは赤イソメのエサで釣ったものである)。
次の段階では15分ごとに赤イソメのみ、イシゴカイのみという形でのテストを2回繰り返した。テスト時間を15分と短くしたのは、紀ノ川だけでなく大河川の河口部では、川の流れと潮の干満が複雑に絡み合うためか、潮流が比較的短い時間でかなり複雑に変化する。その中で、可能な限り同じような潮の動きの条件で2つのエサの比較を行いたかったためである。
全テスト終了後にイシゴカイによる釣果を入れたビニル袋、赤イソメによる釣果を入れたビニル袋の中のハゼを検量し、数と型を比較した。
![イシゴカイ(ジャリメ)と赤イソメどっちが釣れる? ハゼ釣りで検証](https://tsurinews.jp/data/wp-content/uploads/2022/09/wpIMG_0405.jpg)
今回の実釣テストのまとめ
赤イソメはイシゴカイと同様ミャク釣りのエサとして使える。
小型のハゼが多いときなどは、食い込みのよさでイシゴカイが有利と思う。ハリに刺した時の動きはイシゴカイの方がよく、赤イソメに比べ細いため、小型でも違和感なく食い込むのであろう。
ハゼの型がいいとき、できるだけデキハゼを避けたい時は赤イソメの方がいい。色や匂いなど、動き以外でイシゴカイよりもアピールできるためと思われる。これはキス釣りの場合と同じような傾向になった。
赤イソメの使いどころ
イシゴカイはハゼ釣りのエサとして、関西では完全に定着しているが、今回のテストで、赤イソメもハゼの嗜好性はかなり高いことがわかった。ごく初期で、ハゼの型が7~10cm位の小型中心であるような場合は別として、シーズン盛期で活性の高いときなら、赤イソメのみでも充分釣果が出せると思う。
逆に、釣れるハゼのサイズが大小さまざまなとき、大きめのハリで赤イソメを使って型のいいものだけを拾い釣りするような使い方もできる。
イシゴカイを使ってハゼのミャク釣りに行くとき、入手できるのであれば少量でも購入しておいて損はないといえる(今回赤イソメは300円分で充分だった)。
イシゴカイと赤イソメについて、キスの投げ釣りとハゼのミャク釣りで比較的短時間の実釣比較テストを行ってきた。さらにもう少し多面的に実釣でその特性を調べてみたいと考えている。
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<牧野博/TSURINEWSライター>
紀ノ川