目次
道の概要
お薦めのシーズン
周辺立ち寄りポイント
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道の概要
決して景色抜群の素晴らしい道路ではないけれど、近代の歴史を学んだ者なら誰もが何がしかの感慨をもつのが『野麦峠』。岐阜県飛騨から長野県岡谷に至る険しい道を、100年以上も前に少女たちが越えていったと思うとそれだけで走りたくなってしまう。
【野麦峠を描いた文学作品、映画】
『女工哀史』細井和喜蔵の著書1925年刊。
著者が13歳から20余年間下級職工として働いた体験・見聞をもとにして,統計も加えて記した300万女工の悲惨な生活の記録。
『あゝ野麦峠』山本茂実の著書1968年刊。
製糸工場が最も過酷だったとされる明治40年代を中心に取り上げている。著者は数百人の女工・工場関係者からの聞き取りを行っている。
映画『ああ野麦峠』山本薩夫監督、大竹しのぶ主演(政井みね役)1979年6月全国一斉公開。
若い人気女優たちの共演や抒情的な主題曲などで人気となり、社会派映画としては突出したヒットとなった。峠道のシーンは冬山でのロケ撮影。1969年に吉永小百合主演で映画化が検討されたが、資金の関係で断念したという経緯がある。DVD発売済み
『野麦峠』という名前はメジャーだが、道路はマイナー。完全舗装ではあるが1.5車線程度の山道が続く。長野側は樹林のトンネルを走るが、岐阜側は飛騨川の深い谷の合間を下っていく。自然災害も多く通行止めになることが多い難所の峠でもある。女工哀史の物語がなければ、何の変哲もない峠道だったかもしれない。開田高原や飛騨高山方面のツーリングの途中にでも立ち寄りたい。
夏休みともなれば子ども連れの観光客が多いのが特徴で、多分学校で学習して夏休みの家族旅行の工程に入れたのだろう。峠周辺には野麦峠の館、お助け小屋と兄弟の像、展望台には政井みねの碑(吉永小百合さん寄贈)もある。『女工哀史』や映画『ああ野麦峠』を予習しておけば、この道路はさらに感動が増す。何度も来る場所ではないかもしれないが、一度は足跡を記しておきたい。早期の道路復旧を期待したい。
お薦めのシーズン
6月開通後の新緑から紅葉の10月中下旬。