目次
■1980年代のアメリカに起きた衝撃の実話をもとにした、犯罪ノンフィクション『アンダー・ザ・ヘブン 信仰の真実』
■インド人の宗教家が創設したラジニーシ教教団の栄枯盛衰を描く『ワイルド・ワイルド・カントリー』

NetflixやAmazonプライムビデオなどのストリーミングサービスで、年間100本程度の映画やテレビシリーズを観る海外テレビウォッチャーのキャサリンさんに、「隠れ家でこっそり鑑賞したい超過激な作品」を毎月2つオススメしてもらう連載。

第12回は、カルトに関わる実在の事件を題材にした、衝撃の2作品をピックアップ!

■1980年代のアメリカに起きた衝撃の実話をもとにした、犯罪ノンフィクション『アンダー・ザ・ヘブン 信仰の真実』

信仰は人に何をもたらすのか? 実話からいまこそ学びたい、カルトの真実と闇
(画像=脚本・制作総指揮は、アカデミー脚本賞を受賞したダスティン・ランス・ブラック
©2022 FX Networks
ディズニープラスのスターで独占配信中、『男の隠れ家デジタル』より引用)

アメリカの人気作家であるジョン・クラカワーのベストセラー小説「信仰が人を殺すとき」に着想を得た、クライム・サスペンスドラマ。1980年代、アメリカ・ユタ州で実際に起きた、末日聖徒イエス・キリスト教会(モルモン教)の信者である母子殺人事件の真相を、2人の刑事が暴いていくハードなストーリー。

まだ若い母親と幼児が殺害されるという凄惨な事件は、ユタの田舎で注目を浴びた。当初は血まみれで発見された夫が容疑者とされていたが、取り調べを通して見えてきたのは、敬虔なモルモン教徒が多いユタ州で、モルモン教の分派であり過激な思想を持つ末日聖徒イエス・キリスト原理主義教会の存在だった……。

事件を担当し、自身も敬虔なモルモン教徒として育ってきたパイアー刑事の葛藤や、信者たちがどのようにして原理主義に傾倒していくかを丁寧に描いたストーリーは一気見必至。本ドラマのクリエイター自身もモルモン教徒ということで、リアリティの高さは半端じゃない。目を背けず真っ向から描く姿勢に拍手を送りたくなる作品だ。

~ひとりで楽しむ男の隠れ家ポイント~
母子の惨たらしい殺害内容や原理主義へ傾倒する異常さに、思わず目を覆いたくなる。心が元気なときに観るのをオススメする。

■インド人の宗教家が創設したラジニーシ教教団の栄枯盛衰を描く『ワイルド・ワイルド・カントリー』

信仰は人に何をもたらすのか? 実話からいまこそ学びたい、カルトの真実と闇
(画像=ドキュメンタリー部門でエミー賞を受賞した話題作
Netflixシリーズ『ワイルド・ワイルド・カントリー』シーズン1独占配信中、『男の隠れ家デジタル』より引用)

最近は動画配信サービスのオリジナル作品で、カルトや宗教を扱う作品が数多く配信されている。今作は、その流行の原点となった珠玉のドキュメンタリー作品。1980年代、オショーと呼ばれるインドの思想家、バグワン・シュリ・ラジニーシが創設したラジニーシ教団の拡大と衰退を、当事者のインタビューを交えながら振り返る。

インドから始まり、勢力を拡大するラジニーシ教団は、オレゴン州の田舎にコミューンを創ろうとする。現地住民の激しい対立にあいながらも、優秀な広報官である幹部マー・アナンド・シーラの計画によりコミューン運営は着々と進められていく。

ラジニーシ教団には弁護士などのホワイトカラー層の信者も多く、アメリカの法律にも精通したカルト教団として、地元の反発を受けながらも拡大していく様子がとても興味深い。ラジニーシ教団が以下に人々を魅了し、そして衰退していったのか。現代にも通ずる名作だ。

~ひとりで楽しむ男の隠れ家ポイント~
インタビューでは事前に質問内容の開示をしていたそうだが、シーラだけがぶっつけ本番でその場の気持ちと言葉で語っている点にも注目をしたい。

<プロフィール>
キャサリン
Netflix、Amazonプライムビデオ等のストリーミングサービスで最新作を追いかける海外テレビシリーズウォッチャー。webメディア・雑誌などで執筆。

提供元・男の隠れ家デジタル

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