日本独自の商品企画や追加生産体制も
―日本事業の進捗は。
松山 先に述べた通り、当初はブームになり、ブーム期をベースに出店モデルをつくってしまい、大型店を出し過ぎた。現在は客層をファミリー層に定め、注力商品カテゴリーを見直した。またコアなお客さまが形成するコミュニティ活動「部活」を始動し、ファン客とのつながりも築いてきた。過剰在庫も一掃。そのタイミングでコロナ禍に入ったので今は順調に推移している。
―日本におけるローカライズ(現地化)の取り組みは。
松山 昨年から始めた「リバイ」と呼ぶ再生産・再販売の仕組みがその一例。スマートフォンプロジェクター(税込990円)が大ヒットしたのを機に、何度も売れ筋を買い直して、もう一度売るというサイクルを日本独自でつくり上げた。リバイして投入し、メディアにもう一度取り上げてもらうと、お客さまが来店してもきちんと商品がそろっている。これがうまく循環して、実際に一品単価と客単価が上がった。
この成功によって、昨年からはレギュラーなプロセスになり、今年から2カ月に1回実施。数としては年間400アイテム、1回当たり50~60アイテムほどになっている。
―日本とグローバルでは売れ筋が違うのか。
松山 全く違うわけではないが、トップ商品など大きな品番では差が出る。特に食品は日本の輸入規制が厳しいので、日本独自で企画・生産するものも多く、欧米とは売れ筋が異なっている。
提供元・DCSオンライン
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