手取り16万円の月収・年収
月収や年収の面を考えてみましょう。まず、手取り16万円の場合には月収は20万円となります。そもそも月収は勤め先から支給される金額の合計であり、基本給の他に食事手当や残業手当といったものを合わせたものです。
そして手取りというのは、その月収から所得税などの税金、そして雇用保険料等の、所謂控除をすべて差し引いて、社員に支給される実際の金額です。大体2割から3割が控除で差し引かれるので、月収は20万円となるのです。
続いて年収を見てみると、ボーナスを考慮しなければ240万円、考慮した場合には280万円から320万円となります。この年収は、月収の金額を元にした1年の収入であり、実際にこの金額が1年丸々得られるわけではありません。
ボーナス金額については、大きな会社なら2か月半程度、中小企業なら1か月分が普段の給料にプラスされるので、240万円に1か月分の20万円から2か月半の50万円をプラスし、これが年2回入るので280万円から320万円になります。
手取り16万円は平均以下
この手取り16万円というのは平均と比べてどの程度なのかが気になるところでしょうが、国税庁が行った令和元年の民間給与実態統計調査によると、年収の割合は以下の通りとなります。
- 100万円以下:8.7%
- 100万円超~200万円以下:14.2%
- 200万円超~300万円以下:14.9%
- 300万円超~400万円以下:17%
- 400万円超~500万円以下:14.6%
- 500万円超~600万円以下:6.5%
- 700万円超~800万円以下:4.4%
200万円以下が全体の2割、200万円以上300万円以下が15%ほどになっていて、計算してみれば20代後半以降は手取り16万円以上を得ています。すなわち、全体で見ると手取り16万円はやや下回っていることになります。
手取り16万円の貯金の妥当額
実際の手取り16万円の生活費の内訳の中では、貯金にどれだけの金額を回せるかによって生活の余裕も変わっているのが見て取れましたが、毎月実際に貯金に回せる額は1万5千円程度であると言われています。
生活費内訳では3万円や2万5千円といった金額でシミュレーションしていましたが、あくまでもこれは理想的にそれぞれの費用を支払えた場合であり、実際には急な出費等もありますので、コンスタントに貯金できる額を考えると1万5千円程度が妥当になってきます。
世代別で平均的な貯金額を見てみると、20代が2万5千円、30代や40代は3万5千円という世論調査がありました。これを踏まえると、1万5千円が妥当となる手取り16万円は、生活自体は可能ですがもう少し余裕が欲しいところであると言えます。
勿論、最も大きな固定費である家賃を削ったり、娯楽に回す費用を削れば対処は可能ではあるものの、実際に実行しようとすると自分の生活を中々に切り詰める必要が出てきます。
20代の毎月の貯金額目安
20代でも、毎月2万5千円を平均的に貯金しているという世論調査がありました。更に単身世帯調査を行った所、20代の預貯金や金融商品等の保有額を表す金融資産保有額は、113万円が平均と出ています。
この金額が多いのか少ないのかは個々人によってとらえ方が異なってくるところでしょうから、金融資産保有額の全体の割合を見てみましょう。
金融資産保有額 | 割合 |
---|---|
金融資産非保有 | 43.20% |
100万円未満 | 28.30% |
100万円以上~200万円未満 | 8.80% |
200万円以上~300万円未満 | 4.80% |
300万円以上~400万円未満 | 3.60% |
400万円以上~500万円未満 | 2.50% |
500万円以上~700万円未満 | 2.9% |
そもそも金融資産自体を保有していない割合が4割以上で、100円未満が28.3%ですので、7割以上の方がこの20代の平均保有額を下回っているのです。
20代からの貯金の必要性
しかし、若い20代というのは様々な欲求を求めるものでもありますから、そこまで貯金をする必要はあるのか、という考えもあるかもしれません。確かにその考えにも正しい面はありますが、長い目で見た時には必要性はあります。
家庭や家を持っていない割合が多い20代の当事者としては、貯金の必要性が薄く感じられているかもしれませんが、人生の中では「お金の貯め時」が存在しており、それは独身で自分の収入を自由に使える時となります。
すなわち、20代独身であるその時こそが、貯金をするべき時ということになります。実際に家庭を持ってからだと、家の購入や家庭に回すお金が多くなるので、20代の内からの貯金はその後を少なからず左右するという訳です。
20代の年収別の貯蓄額
先に単身世帯調査での金融資産保有額を紹介しましたが、どの程度の貯金をすればよいのかを具体的に把握するためにも、年代別の貯蓄額を見てみましょう。
20代の年収 | 平均値 | 中央値 |
---|---|---|
300万円未満 | 72万円 | 8万円 |
300万円以上~500万円未満 | 230万円 | 100万円 |
500万円以上~750万円未満 | 554万円 | 100万円 |
表を見るだけではわかりにくいかもしれませんが、仮に年収300万円で平均貯金額と同じ72万円を貯金できているとしたら、全体の年収のうち24%を貯金に回していることになり、月平均6万円を貯金している計算です。
しかし、実際の中央値は8万円という結果になっているので、思い通りの貯蓄が出来ていないのが現実の様です。