目指すは欧州スタジアム。100%の観客で声出し応援
Jリーグのファンは、欧州など海外のスタジアムの現状をよく知っている。海外では今やマスクを着用する必要がなく、満員の観客が大声でチャントを熱唱できるという環境だ。そのため、Jリーグの歩みの遅さにフラストレーションを溜めている人も少なくない。
今年5月に浦和レッズの一部サポーターが、鹿島アントラーズ戦とガンバ大阪戦でチャントを合唱しブーイングをするなど、違反行為を行ったのはそういった気持ちの表れでもあるだろう(のちにクラブに、罰金2000万円が科された)。
ただし、Jリーグは公益社団法人だ。「自法人の利益の追求だけでなく、社会にさまざまな好影響を与えることを目的に活動する法人」であり、内閣府からの認定を受けている。税制上の優遇措置などのメリットを受けている以上、政府の方針に大きく背くことは難しいだろう。
また日本社会全体が諸外国と比べ、コロナ対策制限の緩和に向け慎重であることも事実だ。それでもJリーグは、運営検証を行い根拠を示しながら、100%の観客での声出し応援に向けて前進を続けている。日本のスポーツ界全体がかつての姿を取り戻すために、先陣を切り、大きな役割を担っている。