ヨーロッパは今、過去500年間で”最悪の干ばつ”に直面しています。
それを視覚的に証明する衛星映像が、欧州連合(EU)と欧州宇宙機関(ESA)の地球観測プログラム「コペルニクス計画」によって公開されました。
この映像は、2021年と2022年の7月1日〜8月31日におけるヨーロッパ全土を比較したものです。
その違いは一目瞭然で、2021年には青々としていた緑地が、2022年には乾燥した砂漠色の荒地に変わっています。
以下で、実際に見てみましょう。
1540年以来、「最悪の干ばつ」がヨーロッパ全土を直撃
こちらが、「Copernicus EU」の公式Twitter上に公開された比較映像です。
Copernicus EUは「2022年、#干ばつがヨーロッパ全土に影響を及ぼしている」とツイートしています。
In 2022, #drought has affected the whole of Europe
Observe how our continent has changed with this mosaic of images acquired by #Copernicus #Sentinel2 between 1 July and 31 August
2021
2022#Drought2022 pic.twitter.com/lXITzYwDFt— Copernicus EU (@CopernicusEU) September 5, 2022
この一連の映像は、地球観測衛星・センチネル(Sentinel)により撮影されたもので、2022年の夏に、イングランド南部からフランス北部、さらには東ヨーロッパまで、甚大な干ばつの被害が広がっていることがうかがえます。
欧州干ばつ観測所(EDO)が発表した報告書によると、今年8月初旬の時点で、ヨーロッパ全域の17%が、干ばつの深刻度を3段階で評価する指標のうち、最も高い「警戒(Alert)」に指定されました。
また、47%の地域が、2番目に深刻度の高い「警告(Warning)」に該当しています。
ヨーロッパでは、今年の5月以降、広範囲にまとまった雨が降っておらず、熱波が続いていました。
そして7月〜8月にかけて、深刻な干ばつが拡大と悪化の一途をたどり、各地で山火事の被害が多発。こうした影響は、西ヨーロッパ〜地中海地域では、11月頃まで続くと予想されています。
専門家によると、今夏のヨーロッパは、1540年にヨーロッパ大陸を襲った大干ばつ以来、最も乾燥した気候になったという。
さらに、この記録的な干ばつは、ヨーロッパの産業にも大きなダメージを与えることとなりました。