道の概要
「シャコタン・ブルー」で有名な積丹半島は、日本海に突き出た形をした半島で、急峻な地形と奇岩の風光明媚な海岸線が続き、海岸線一帯は「ニセコ積丹小樽海岸国定公園」となっている。道南観光の中心のひとつになっている。
小樽から江差をつなぐ国道229号は、日本海沿岸を通過するルートをとり、数々のトンネルをくぐり、危険な箇所はルート変更をはじめとする線形改良が続けられている。この国道229号の積丹半島の海岸線を周遊する区間は、岩内から積丹までを『カブトライン』、積丹から余市までを『セタカムイライン』と呼んでいる。
「セタカムイ」の名は、岬から突きだしたセタカムイ岩からつけられた。セタとはアイヌ語で「犬」、カムイは「神」という意味で、アイヌの人達は、昔から犬の声は悪魔を追い払うものと考え、神様が犬に姿をかえて、自分達を守ってくれると伝えられている。「カブト」は、源義経の残した兜が姿を変えて岩になったという伝説が残るカブト岬のカブト岩(泊村)から名付けられた。アイヌ伝説ではここはカムイシレパ(神の岬)と呼ばれ、神聖なるところとされている。
この道の素晴らしさは、数々のアイヌ伝説を生み出した荒々しい奇岩奇勝が続く海岸と、「積丹ブルー」と言われる比類ない美しい青さを持つ海に集約される。カブトラインの岩内~積丹の区間では、荒々しい奇岩奇勝の海を眺望しながら走る。断崖の海岸を貫く1000m~2000m越えのトンネルの前後は、日本海の荒波によって削られた荒々しい岩肌が現れる。カブトラインのハイライトは神威岬だ。20分の遊歩道の先に広がる積丹ブルーの海にそそり立つカムイ岩は神々しい。さらに、道道913号に入って半島突端の島武意海岸もぜひ立ち寄りたい場所だ。有名なウニ丼のみさき亭はこの沿道にある。高い(5500円)が限定20食の赤バフン生ウニ丼は一度は食したい。(6月~8月限定)
セタカムイラインの積丹から余市の区間では、積丹三大岬の黄金岬、沖合に突然現れるローソク岩が有名。滝の間トンネルと豊浜トンネルの間にある場内漁港の浜辺から、夕陽が炎のようなローソク岩の写真を撮影することができる。小樽に近いこともあり、比較的交通量は多い。道路は災害対策もあってトンネルが多いが、それでも海岸絶壁の道は楽しい。
お薦めのシーズン
- 緑輝く夏がお薦め。