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道の概要
お薦めのシーズン

道の概要

大台ヶ原は紀伊半島の南東に位置し、熊野灘(太平洋)までわずか20km足らずの距離で、標高差1500mの斜面をつくっている。台風の時期には、太平洋の湿気をたくさん含んだ南東の風が熊野灘からこの斜面を吹き上げられ、急速に冷やされて雲ができ大雨を降らせる。こうして、世界有数、国内1・2位を争う多雨地域大台ヶ原は、トウヒとブナの日本を代表する原生林の宝庫となっている。

そんな紀伊山地の最も奥深く、険しい山々が連なる場所につくられたのが大台ヶ原ドライブウェイだ。吉野郡川上村国道169号新伯母峰(おばがみね)トンネル北入口手前を右折して、大台ヶ原ビジターセンターに至る、延長17.2kmの奈良県道40号・大台ケ原公園川上線の通称である。かつては有料道路だったが、1981年4月1日より無料化された。 

【奈良】大台ヶ原ドライブウェイ 〜 紀伊山地の中を突き抜ける道はスリリングで走りごたえあり〜[バイク・車でツーリングしたい日本百名道・No.66]
(画像=『Moto Megane』より 引用)

紀伊半島路の道路は、一般的に東西は狭路で、南北は快走路になっているが、大台ヶ原ドライブウェイへは、快走路の国道169号で南下または北上して分岐点に向うことになる。北側からは眺望のいいループ橋を過ぎると分岐に着く。分岐から伯母峰園地までは単なる林道レべルの道で、1.5車線程度の道幅で舗装状態も決していいとは言えない。視界も開けず、対向車が来ないことを祈りながら慎重に登っていく。トンネルを抜けるとようやく展望が開け路面も良くなり2車線の快走路になる。そして経ケ峰から山頂までの尾根伝いの区間が大台ヶ原ドライブウェーの真骨頂。ここから見る紀伊山地の峰々は素晴らしいのひとこと。信州のアルプスとは違う、日本のもう一つの山の風景とも言える景色がここにある。

【奈良】大台ヶ原ドライブウェイ 〜 紀伊山地の中を突き抜ける道はスリリングで走りごたえあり〜[バイク・車でツーリングしたい日本百名道・No.66]
(画像=『Moto Megane』より 引用)

山頂(終点)手前の道路は広く作られており、実質的な駐車スペースになっている。(紅葉シーズン用) 展望が開けている場所では格好の撮影場所として利用できるだろう。終点の大台ヶ原ビジターセンターの駐車場は200台ほどのスペースがあり、紅葉シーズンの登山客用に充分な広さを持つ。こんな山奥なのに、展示・レクチャーセンター、売店やトイレのある立派なビジターセンターで、人も多く僻地感は全くない。時間が許せば、「東大台ハイキングコース」に挑戦するのもよいだろう。フルコースは4時間だが、日出ヶ岳~正木ヶ原だけならば1時間程度で大台ヶ原の原生林を味わうことができる。

この道路は行き止まりのピストンロードなので、引き返すしかないが、伯母峰峠~経ケ峰の中間付近から秘湯「北山峡小処温泉」へ向かう林道があり、県道226号で国道169号の道の駅吉野路上北山付近に至る経路もある。

お薦めのシーズン

【奈良】大台ヶ原ドライブウェイ 〜 紀伊山地の中を突き抜ける道はスリリングで走りごたえあり〜[バイク・車でツーリングしたい日本百名道・No.66]
(画像=『Moto Megane』より 引用)

新緑や紅葉の時期。紅葉の時期は混雑する。