ヤマハ発動機から、電動トライアルバイク「TY-E2.0」で「YAMAHA FACTORY RACING TEAM」の黒山健一選手が出場し、2ラップ目の中盤にマシントラブルがあり、31位となった。EVならではの力強い低速トルクや加速性能など”内燃機関を上回る楽しさ”を目指してきた「TY-E2.0」、その実力の確認と、実践を通したデータの収集、課題の把握をし、更なる開発と、カーボンニュートラルの実現に向けて備えていく。

黒山選手と「TY-E 2.0」がTrial 2クラスに出場し31位を獲得 2022 FIMトライアル世界選手権 第5戦フランス

2022年8月27~28日、フランス南部の都市、カオールで行われたFIMトライアル世界選手権の第5戦フランスのTrial 2クラスに、ヤマハ発動機の電動トライアルバイク「TY-E2.0」で「YAMAHA FACTORY RACING TEAM」の黒山健一選手が出場し、2ラップ目の中盤にマシントラブルがあり、31位となりました。

当社と黒山選手は、EVならではの力強い低速トルクや加速性能など”内燃機関を上回る楽しさ”を目指してきた「TY-E2.0」の実力の確認と、実戦を通したデータの獲得や課題の抽出など、さらなる開発に向けた情報収集を目的に、世界最高峰のTrialGPクラスに続くTrial2に出場。比較対象となるエンジン車をライバルに、難易度の高い12セクションを2ラップする戦いに臨みました。

黒山選手は1ラップ目、序盤の2セクションで減点5となりましたが、その後は減点を抑え、25番手前後をキープ。しかし、第11・12セクションで減点5となり、1ラップ目を減点41で終えました。
続く2ラップ目、黒山選手は減点5でスタートしたものの、第2セクションで初のクリーンを獲得すると、その後の第4セクションでもクリーンとしましたが、第7セクションでマシントラブルが発生。ピットに戻り修復を試みたものの修復が困難だったため、残りのセクションをエスケープすることで完走しました。これで2ラップ目は減点47、トータルでは減点88となり、黒山選手は36台中(電動車はTY-E2.0を含め2台)31位という結果で大会を終えました。
また今回、当社の電動トライアルバイクの正確な現在地を把握するとともに、さまざまな課題の抽出と貴重なデータを収集しました。今後はこのデータを幅広い方面に活用していきます。

黒山健一選手談(31位)

「3年ぶりの世界選手権、グランプリ全体がヤマハに注目していることを肌で感じながら、世界レベルのライバルと真っ向勝負するのは、やはりいいものです。僕にとっては、前回とは比べ物にならないハイレベルなセクションを、一つでも多くTY-E2.0で攻略し、一つでも上位を走るというチャレンジでした。しかし、久々の世界選手権ということで、1ラップ目は私自身がバタバタしてしまいました。2ラップ目は落ちつきを取り戻したのですが、第7セクションでトラブルが出てしまい、最後まで走りきれなかったのは残念です。一方で課題は、クラッチの耐久性や、トラブルを見据えた整備性など明確になりました。モーターのトルクとパワーは十分で、車両トータルのパフォーマンスも高く、難しいと思ったところもほとんどがいける、戦えるバイクになっていました。これからも私たちのチャレンジは続きますので、全日本と合わせて期待していただけるとうれしいです」

佐藤美之監督談

「今回はシングルフィニッシュを目標にしていました。しかし、最高峰のTrialGPを目指す若手ライダーが多数参戦し、高難度のセクションが設定されているTrial2。黒山選手もこれだけのセクションをTY-E2.0で走り続けた経験がなかったことなど、その壁は高かったというのが印象です。またマシントラブルが発生し修復できず、残りはエスケープしてレースを終えたのは本当に悔しく、黒山選手やヤマハの参戦を楽しみにしてくれたファンの皆様には、大変申し訳なく思います。しかし、今回の一番の目的は、課題をできるだけ多く持ち帰ることだったので、それができたのは大きな収穫です。また今回、ファンやライバルたち、主催者の皆さんが、ヤマハの復帰を歓迎してくれました。その期待に応えるためにも、今回の経験を生かしバイクの進化を推し進めていきますが、すぐ目の前にある課題、カーボンニュートラルにつながる技術開発もしっかりと見据えて活動を続けていきたいと考えています。ぜひ、ご期待ください」

ヤマハ電動トライアルバイク「TY-E2.0」で黒山健一選手が31位/2022 FIMトライアル世界選手権 第5戦フランス
(画像=『Moto Megane』より 引用)

リリース提供元:ヤマハ発動機

※記事内容は全て執筆時点のものです。最新の情報をお確かめください。

提供元・Moto Megane

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