INDEX
- 1.必要な道具をすべて床に並べてチェックする。
- 2.ほかの人の記録を熟読する。
- 3.雑誌の気になる記事にふせんをつけておく。
- 4.ヘッドランプの電池やモバイルバッテリーの充電を確認。
- 5.1週間前から天気予報をチェックする。
- 6.登山当日に向けてカーボローディングを実践しています。
- 7.登山計画書の提出と家族へのメール。
- 8.食材はコンビニで揃える。
- 9.1週間前から体調管理に気をつける。
- 10.持ち物の一覧リストを作る。
登山を楽しむためには準備が重要。荷物のパッキングの工夫以外にも体調管理やルート確認など、真似したい、やっておきたいTipsをご紹介。
うっかりの忘れ物や登山当日あわてないためにできること
1.必要な道具をすべて床に並べてチェックする。
アウトドア系ライター/根岸真理さん
リスト化して確認するのがベストですが、思いついてすぐに行きたい場合や行き慣れた山行でわざわざリストを作るのは面倒。でも頭のなかで思いついただけのパッキングでは忘れ物をする確率が非常に高い。なので必要と思われるものすべてを出した後、バックパックに詰め込む前に持って行く道具をジャンル別に分け、すべて床に並べます。この方法を始めてからは致命的な忘れ物がなくなりました。逆に必要のないもの、余計なものがないかどうかのチェックができるのもメリットです。
2.ほかの人の記録を熟読する。
山岳ライター/吉澤英晃さん
予定しているルートは必ずだれかが歩いているし、いまはインターネットに情報があふれている時代です。基本、計画を立てる段階からほかの人の記録を調べて、ルート上に危険箇所がないか、水場が涸れていないかなどを調べます。宿泊予定地も、例えばそこが避難小屋なら荒廃している可能性もあるので、そういったトラブルに遭遇しないためにも、事前に情報を集めます。最初は調べるだけで十分ですが、慣れてきたら記録を地形図と照合して、こういった地形だと危険があるといった関係性を覚えていくといいでしょう。この積み重ねでデータが蓄積されると、地形図を見ただけで危険予測ができるようになります。
3.雑誌の気になる記事にふせんをつけておく。
アウトドア系ライター/根岸真理さん
興味のあるところ、行きたいところが掲載されているページにメモを書いたふせんを貼ります。準備をするときにそれを参照すると忘れ物も防げてスムーズ。とくにクライミングなど自分の知識が少ない登山のときに参照できるので助かります。
4.ヘッドランプの電池やモバイルバッテリーの充電を確認。
山岳ライター/森山憲一さん
近ごろは充電機器が増えたので、山行前夜の充電は欠かせない儀式になっている。ヘッドランプ、スマホ、カメラ、モバイルバッテリーなど。デスクの横に各種充電ができるコーナーを作ってあるので、そこで一度に充電する。前夜の儀式にしておくと忘れにくい。
5.1週間前から天気予報をチェックする。
ヨシキ&P2/吉野時男さん
登山予定日の天気予報を確認するのと同時に、前々から現地の天気をチェックします。最低でも7日前から行なうといいでしょう。もしも雨が降り続いているとしたら、当日が晴れ予報でも、登山道がぬかるんでいる、岩が濡れている、地盤が緩んでいる、沢が増水しているなどといった状況を予測することができるのです。事前に現地の様子をイメージできれば、ゲイターを用意したり、ストックを準備したり、沢沿いを歩く計画ならルートを変更するといった対策を考えることができます。
6.登山当日に向けてカーボローディングを実践しています。
好日山荘おとな女子登山部/あややさん
カーボローディングとは、行動中のエネルギー源となる糖質を意図的に体内に溜め込む食事法です。まず登山予定日の1週間前から摂取する糖質を減らします。炭水化物を避けて、野菜や肉をメインにした食事にするのです。この状況が続くと、体内では糖質を溜め込もうとする働きが強くなります。この働きを利用して、3日前から一転して高糖質の食事に切り替えると、体内に通常の2~ 3倍の糖質を貯蔵することができるのです。結果、持久力がアップしてシャリバテなどのリスクを減らすことができます。
7.登山計画書の提出と家族へのメール。
山岳ライター/森山憲一さん
登山計画書を作って、登山届として提出することと、それを家族にメールしておくことも、山行前夜のルーティーン。登山計画書はもっと事前に作っておくべきかもしれないが、単独のときはもっぱら前夜。登山届提出はコンパスというウェブサイトを使っている。家族にはメールだけでなく口頭でも伝えるようにしている。
8.食材はコンビニで揃える。
ヨシキ&P2/吉野時男さん
山に持っていく食材は基本コンビニで揃えてしまいます。じつはコンビニではさまざまなアクティビティに対応する食べ物が購入可能。トレイルランニングなど、食料も軽量化したいときは、ゼリーやカロリーメイトといったすぐに摂取できるもの。しっかり調理もして食事を楽しみたいときはカット野菜や焼きそばなどを買えます。なかでも僕のおすすめは冷凍うどん。暑い夏山では山専ボトルに冷やしたつゆを用意してつけ麺を食べるんです。暑さと疲れで食欲が落ちていても、冷たい麺ならツルッといただけるのがいいですね。
9.1週間前から体調管理に気をつける。
山岳ガイド/笹倉孝昭さん
1週間前くらいから睡眠時間をしっかり確保するように心掛けます。それから食事。アルコールは3日前から控えるようにして、お米、パスタなどの炭水化物をいつもより多めに摂るようにします(カーボローディング)。また体にしっかり吸収されるアイソトニック飲料を意識して摂るウォーターローディングを実践すると疲れにくく、体力の回復も早くなります。カロリー消費を表す「メッツ値」という指標があるのですが、登山は激しいスポーツ並みの値なので体調管理は非常に重要です。
10.持ち物の一覧リストを作る。
ヨシキ&P2/吉野時男さん
忘れ物をなくすために持ち物の一覧リストを作っておくといいでしょう。僕は、沢登りの次はクライミング、その次はトレイルランニングなど、さまざまなアクティビティを短いスパンで行なっているので、準備すべき荷物が頻繁に変わります。その時にリストがあるととても便利。ひとつずつチェックすればスムーズに装備を揃えることができるし、もちろん、あれを忘れた! なんてトラブルも回避できます。
出典 PEAKS 2019年9月号 No.118
CREDIT : 文◉吉澤英晃、編集部 Text by Hideaki Yoshizawa、PEAKS
イラスト◉別府麻衣 Illustration by Mai Beppu
PEAKS 編集部
装備を揃え、知識を貪り、実体験し、自分を高める。山にハマる若者や、熟年層に注目のギアやウエアも取り上げ、山との出会いによろこびを感じてもらうためのメディア。
提供元・FUNQ/PEAKS
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