問い合わせ文は丁寧に
以上の考えから、筆者は「1対1でメッセージを送る場合はできるだけ読みやすく、丁寧に文章を書いた方が良い」という考えに至った。昨今、SNSで簡単にDMを送れる時代で、カジュアルに送ってしまいがちだ。しかし、送る前に文章の乱れはチェックしたほうが良いと思う。これは特にビジネスにおいて顕著である。
人は往々にして、自分の価値観と近い人に惹かれる性質がある。たとえば論理的な人は論理的な人を好むし、孤独な人は同じく孤独な人を好む。これまで色んな人とやり取りしてきて感じるのは、ビジネス感覚が強めの人はたいていの場合、忙しく過ごし効率を好み、ムダを嫌う傾向があると思う。
それ故に彼ら/彼女らとコミュニケーションを取る時は、短文でムダのないシンプルなものを心がけるのが良いだろう。伝えたいことが複数あるなら、箇条書きを使うのも手だ。もしも、一読してもまったく理解できない文章や、本筋とは無関係な自分本位の話ばかりが詰め込まれている文章を送りつければ、一発退場で彼らから敬遠されてしまうだろう。だから特に問い合わせ文ほど、丁寧に書くべきと思うのだ。
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最後に。その人が使う言葉はその人の思想を表す。丁寧な言葉づかいをする人は丁寧な性格で、攻撃的で乱暴な言葉づかいをする人は乱暴な性格をしている可能性が高い。日本語があまりにもおかしな人は、思考が乱れ、自分本位である可能性が高い。だから「言葉づかいだけで相手を判断するなんてけしからん。内面を見るべきだ」という反論が想定されるが、筆者からすると「言葉づかいとはその人の思考という内面がテキストになったもの。つまり、それは内面で判断していることになるのでは?」と思うのである。
文・黒坂 岳央
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文・黒坂 岳央/提供元・アゴラ 言論プラットフォーム
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