「加盟店への送客」をより活発に

前述したとおり、メルペイは、メルカリと運命共同体でありメルカリの繁栄あってこそだが、メルカリで商品を「売る側」の使いやすさも、進化している。
「例えば、大型家電をメルカリで売ったら梱包が大変そうだと思われるはず。ゴールデンウィークを利用して私も洗濯機などの大型家電をメルカリの梱包・発送を代行するサービスを利用して売ってみたところ、拍子抜けするほど簡単だった。ヤマトさんが集荷に来られて洗濯機を裸で持っていくだけ。あとはすべてお任せできた」(山本代表取締役CEO)
現在、メルカリでは月に3~4万円売り上げる人も少なくないという。
「今後は、加盟店への送客を積極的に行っていきたい」と山本代表取締役CEO。メルペイのローンチ以来、ユーザーの行動を見続けてきた。それにより行動パターンの分析も進んでいる。
例えば、カメラ好きのユーザーは古いカメラをメルカリで売り、その売上金を原資に、「メルペイ」加盟店にて新しいカメラを購入する、といった行動も、長年の分析から見えてきたと言う。「今後はユーザーの趣味趣向に合わせたクーポンを個別に発行して送客に貢献するなど、やれることはまだある」(山本代表取締役CEO)
生活者の決済行動をクレジットカードからスマホに移行させるフェーズは終わった。今後は、いかに他のサービスと連携させ、どのような価値を生み出せるかがフィンテックのあり方としても重要になるだろう。山本代表取締役CEOはそう語り、「今後のメルペイにぜひ注目して欲しい」と締めくくった。
文・両角晴香/提供元・DCSオンライン
【関連記事】
・「デジタル化と小売業の未来」#17 小売とメーカーの境目がなくなる?10年後の小売業界未来予測
・ユニクロがデジタル人材に最大年収10億円を払う理由と時代遅れのKPIが余剰在庫を量産する事実
・1000店、2000億円達成!空白の都心マーケットでまいばすけっとが成功した理由とは
・全85アカウントでスタッフが顧客と「1対1」でつながる 三越伊勢丹のSNS活用戦略とは
・キーワードは“背徳感” ベーカリー部門でもヒットの予感「ルーサーバーガー」と「マヌルパン」