今や電動なのはスクーターやキックボードだけではありません。

スマートモビリティ開発企業「InMotion」は、電動一輪車のVシリーズを開発・販売してきました。

そして最近では、最新機の「V13 チャレンジャー」を発表。

その名前の通り、スピードの限界にチャレンジした機体となっており、最高速度は140km/hと謳われています。

明らかに危険な領域に足を踏み入れてしまった「最速の一輪車」が完成したのです。

危険すぎる電動一輪車「V13 チャレンジャー」

電動一輪車「Vシリーズ」の最新作。最高速度がさらに向上
Credit:InMotion

InMotion社が開発するVシリーズは、1つの車輪からなる「電動一輪車」です。

通常の一輪車とは異なりサドルはありません。

利用者は立ったまま乗車し、バランスを取りながらモーターの力で前進。体を傾けて曲がるのです。

舗装された道路だけでなく、オフロードや坂道、階段などでも前進できる力を持っています。

階段など凸凹な地面でも走れる
Credit:InMotion

そして注目すべき最高速度は、前作のV11が50km/h、V12が70km/hと、新しい製品が発表されるごとに向上してきました。

速度に関しては既に十分な性能を備えていますが、開発チームはさらなる高みを目指したようです。

新しく発表された「V13 チャレンジャー」は、最高速度140km/hに達したというのです。

路面での最高速度は90~100km/h
Credit:InMotion

とはいっても、実際の路面でこの速度が出たわけではありません。

この速度は、タイヤを浮かして負荷をかけない状態の回転数から導き出されたものです。

そのため、人が乗った状態で出る実際の速度は、90~100km/hだと予想されます。

それでも電動一輪車からすれば、「十分な速度」を通り越して、明らかに「危険な領域」に踏み込んでいると言えますね。

日本の高速道路を走行する普通乗用車レベルの速度なのです。

ここまでスピードアップできる一輪車には大きな危険が伴いますが、InMotion社もいくらかの備えはしているようです。

高性能なサスペンションで安定感が増している
Credit:InMotion

例えば、V13には左右で独立した高性能なサスペンションが備わっており、凹凸の激しい地面でも衝撃を吸収しながら走行できるようになっています。

またヘッドライトやテールライトが付いており、夜間でも周囲の安全に気を配れます。

ちなみにV13の販売価格は早期予約で割引され、3999ドル(約55万円)になります。

気になる方は早めにチェックすると良いかもしれませんね。

V12での転倒の様子。V13の時速90km/hだとどうなることか……
Credit:chooch tech(YouTube)_POWER DRIFTING UNICYCLE! (INMOTION V12 HT) TOO MUCH TORQUE!?(2022)

とはいえ、日本の公道で走行するのは難しいでしょう。

仮に私有地で楽しむとしても、速度には十分注意しなければいけません。

一般的な車両の事故であれば、まず車体が衝突し、衝撃をいくらか和らげてくれます。

しかし電動一輪車の場合は、利用者の体が直接衝突することでしょう。

人間の体が時速90km/hで電柱や壁、他の車両に叩きつけられることを考えると、どれだけ危険に満ちた乗り物なのか、よく分かります。

「V13 チャレンジャー」を十分に楽しみたいなら、決して「チャレンジ」してはいけないのです。

参考文献
InMotion unveils ‘fastest in the world’ 87 MPH V13 Challenger electric unicycle