ほとんどが水で構成されているようです。

カナダのモントリオール大学(University of Montreal)の研究チームは、地球から100光年離れた「りゅう座」の連星系に、ほぼ水によって構成されている可能性がある太陽系外惑星「TOI‐1452b」を発見したと報告しました。

「TOI‐1452b」は恒星からの距離が丁度よく、研究者たちは「これまでに発見された太陽系外惑星のなかで海洋型惑星としての条件を最も満たしている1つである」と述べています。

研究内容の詳細は2022年8月12日に『The Astronomical Journal』にて公開されています。

100光年先に「海洋型惑星」と推測される惑星を発見!

水が大半を占める星は珍しくない
Credit:Canva

意外かもしれませんが、半分以上が水で構成されている星は珍しくありません。

例えば土星の衛星ガニメデやカリスト、土星の衛星タイタンやエンケラドゥスなどは比重が軽く、コア部分の岩石を除いて大半が氷でできていると考えられています。

自称「水の惑星」である地球は質量のほとんどが金属と岩石で構成されており、純粋な水は質量全体の1%未満だと考えられています。

そのため比率を重視すれば真の意味の「水の星」の称号は地球よりも、これら4個の衛星のほうがふさわしいと言えるでしょう。

ではもし、ガニメデやエンケラドゥスのような水を大量に含む星が衛星ではなく惑星として、恒星から丁度いい距離を回っていたらどうなるでしょうか?

質量は地球の5倍もあるが大半が水でできていると推測される
Credit:Canva

今回、地球から約100光年「りゅう座」にある連星のうちの1つの周りをまわる惑星が、その条件を満たしている可能性が高いことが判明しました。

新たに発見された「TOI‐1452b」は地球の5倍の質量を持つスーパーアースに分類される惑星ですが、比重がガニメデやエンケラドゥスなどと非常に似ており、中心部の岩石以外はほとんどが水で構成されると考えられています。

また恒星からの位置も熱すぎず寒すぎずの丁度いい位置であるため、表面の水が液体の状態で存在できると推測されています。

そのため研究者たちは「TOI‐1452b」は表面の全てが液体の水で覆われた海洋型惑星である可能性が高いと結論しました。

研究者たちは現在「TOI‐1452b」をジェームス・ウェップ宇宙望遠鏡での最優先観測対象として予約を行っている、とのこと。

参考文献
An extrasolar world covered in water?

元論文
TOI-1452 b: SPIRou and TESS Reveal a Super-Earth in a Temperate Orbit Transiting an M4 Dwarf