独特の生臭さがある魚介類と、ケーキやチョコ、団子などといった砂糖菓子。とても合いそうにない両者ですが、実は意外といい感じなのです……!
(アイキャッチ画像提供:PhotoAC)
珍味代表「ホヤ」がお菓子に?
東京・世田谷区に本部がある東京農業大学。ここで先日、とあるユニークなオープンカレッジが開催され、話題になりました。
そのオープンカレッジのテーマは「ホヤのお菓子を作ろう!!」。タイトルの通り、珍味として知られる魚介類のホヤを使ったお菓子を作り、試食するといった内容です。
![珍味代表「ホヤ」がお菓子の材料に? 実は意外と合う魚介と甘み](https://tsurinews.jp/data/wp-content/uploads/2022/08/20220823hoya02.jpg)
当日は「ホヤの入ったパウンドケーキ」や、「ホヤたれのみたらし団子」といったホヤのお菓子が作られました。ホヤと甘い菓子という、いまいち連想しづらい組み合わせも、参加者からは「意外に合う」と好評だったそうです。
なぜホヤを甘いお菓子に?
ホヤは海産物の中でも、最も好みの分かれる食材の一つです。一般的に生食されるか、加工されるとしても干物や塩辛、ホヤたまごなどといったしょっぱい味付けが基本でしょう。ただでさえ海産物ということもあり、甘い味付けのお菓子に使用されるイメージは全く湧きません。
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しかし、実はホヤには食材として大変優れた特徴があります。それは「甘み、旨味、苦味、塩気」など食材に必要な味覚の要素を多く兼ね備えているということ。そのため、色々な味付けの調理に用いることができる食材だとも言えるのです。
魚介と甘い味付けは合う
考えてみれば、魚介と甘い味付けというのは普通によくある組み合わせです。
例えば、昔の甘露煮は保存も兼ねて大量の砂糖を用いて作られており、非常に甘いものが多かったものです。しかしこの味付けも、魚や貝と合わさるとその強い旨味を立てる働きがあり、実に乙なものです。
同様に古くからある魚介類を使用した甘い食材といえば「でんぶ」。魚の身をほぐして甘く味付けたもので、お弁当の具材として今でもポピュラーです。
もう少しお菓子に寄せていくと「昆布飴」なんかもあります。昆布の塩気と濃厚な旨味を全面に出した甘いお菓子で、ハマると癖になります。
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ちょっと変わったところでは、サキイカをチョコレートでコーティングした函館のお菓子「イカチョコ」なんてものも。人によってはびっくりするような組み合わせですが、サキイカの強い塩気はチョコレートとの相性が意外とよく、好きな人にはたまらない味のようです。
科学的にも実証済?
以前なにかの番組で「人工知能が食材同士の相性を科学的に判断する」という企画があったのですが、その中で、相性が良い組み合わせの一つとして「しらすとバナナ」が挙げられていたことがあります。しらすのしょっぱさが、バナナの酸味と甘味とともに、日本人が好む「味の三角バランス」を構成するのだそうです。
我々も普段の暮らしの中で、魚介類とお菓子をもっと気軽に合わせていけば、あっと驚く好相性を見つけることができるかもしれませんね。
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<脇本 哲朗/サカナ研究所>
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