イギリスのロボット開発企業Engineered Artsは、現在、リアルな人型ロボット「Ameca」を開発中です。

数カ月前に公開された動画には、まるで本物の人間のように豊かな表情をしたAmecaが映し出されており、大きな話題を呼びました。

そして最近、バージョンアップしたAmecaの動画が投稿されました。

さらに複雑な表情を獲得したAmecaが、鏡の前で人間らしい感情を表現しています。

バージョンアップした「世界一リアルな人型ロボット」がさまざまな表情を披露する

Engineered Arts社は、2021年12月に、表情豊かな生首ロボット「Adran」の動画を公開しました。

顔面には人間の表情筋数の3分の2にあたる22個の可動部品が組み込まれており、人間に近い表情をつくることができていました。

「不気味の谷」に挑む、リアルな生首アンドロイドを開発!

そして同時期に、リアルな人型ロボット「Ameca」の動画も公開。

こちらは胴体と腕が備わった「人型」であり、Adranと同様、豊かな表情、そしてリアルな目線、人間らしい体や手の動きが再現されています。

動画内では、パーソナルスペースに入ってきた相手の指を嫌がったり、その指を払いのけたりする様子が映し出されています。

この映像は瞬く間に拡散され、「世界一リアルな人型ロボット」として有名になりました。

そして2022年8月12日、バージョンアップされ、さらにリアルになったAmecaの動画が投稿されました。

Engineered Arts社によると、さらに12個の可動部品を顔面に追加し、より細かな表情を生み出せるようになったとのこと。

動画では、鏡の前に立ったAmecaが、喜び、驚き、怒り、混乱、悲しみなどのさまざまな表情を見せています。

どれも私たちがどこかで見たことのある「人間の表情」ですね。

まるで感情をもっているかのよう
Credit:Engineered Arts(YouTube)_Ameca Facial Expressions(2022)

しかもそれぞれの表情パーツの動きが非常に複雑で細かいので、感情の変化をより正確に表現できているように思えます。

またウインク、指を目で追う、ニヤリと笑うといったしぐさも非常にリアルに再現されています。

動かした指を目で追うAmeca
Credit:Engineered Arts(YouTube)_Ameca Facial Expressions(2022)

YouTube動画のコメント欄には、「衝撃的」「信じられない」という声が多いようです。

また、「平均的なハリウッド俳優・女優よりも表現力が高い」と冗談めかして賞賛するコメントもあります。

さらには別のロボット開発企業の名前を出して、「Amecaとボストン・ダイナミクスのモビリティスキルを組み合わせれば、すぐに人間のように歩き、動き、話せるようになる」とコメントしている人もいました。

ボストン・ダイナミクス社はアクティブなロボットの開発が得意であり、四足歩行ロボット「Spot」や二足歩行ロボット「Atlas」などが有名です。

まるでCG。滑らかなロボットダンスをボストン・ダイナミクス社「Atlas」が実演!ロボット技術はココまで来た

確かにダンスもできるこれらのロボットとAmecaが合体すれば、より完全に近い人型ロボットが生まれることでしょう。

私たちが映画や小説、漫画で空想してきたような「人間と見分けがつかないアンドロイド」が現実に登場する日も、そう遠くはないのです。

参考文献
‘World’s most advanced’ humanoid robot gets an upgrade! Eerily-lifelike Ameca can now wink, purse its lips and scrunch its nose – just like a real person