アウトドアライフスタイル関連企業のスノーピークの第2四半期(2022年1月1日~2022年6月30日)決算が8月12日に発表になった。
- 売上高:156億9600万円(前年比+34.5%)
- 営業利益:25億5900万円(同+58.6%)
- 経常利益:25億8500万円(同+50.9%)
- 親会社株主に帰属する四半期純利益:17億1200万円(同+51.4%)
相変わらず好調が続いているが、注目されるのは同時に、通期決算の下方修正が発表されたことだ。前期末に発表された見通しは今回、次のように下方修正された。
- 売上高:327億円(前年比+27.2%)→318億円(同+23.7%)
- 営業利益:52億3200万円(同+37.0%)→38億5000万円(同+0.8%)
- 経常利益:52億2100万円(同+29.4%)→38億9700万円(同-3.4%)
- 親会社株主に帰属する当期純利益:33億円(同+21.0%)→24億8000万円(同-9.1%)
下方修正の原因としては、7月以降テントなど新規キャンパー向け高額商品の動きが鈍化し、7月次売上高では日本市場が前年比-8.3%と急減速したことと、円安による海外からの仕入れ原価の上昇及び一部資材価格の高騰の2つがあげられている。特に円安及び資材高騰の影響は粗利益段階において通期で13億円にのぼると同社では見ている。しかも、同社は今期中の値上げを予定していないという。7月度の日本での売り上げ減については、流通在庫を減らそうとバーゲンを多発している同業他社の影響を受けたためと同社では分析し、あまり重要視していない。
ただし、今後も収まりそうもない円安については、海外販売を増やすことで対応するとしている。具体的には中期計画において2024年度(2024年12月決算)で海外売上比率を総売上高の40%まで増やしたいとしている。
今回の同社の業績下方修正に対して株式市場はどう見ているのか。
この第2四半期決算の発表があった8月12日(金曜日)の終値は2744円。しかし翌週の8月15日(月曜日)の終値はなんと406円安の2338円まで売られている。その後もパッとしない展開で、8月22日にはついに2295円と2200円台に突っ込んでいる。同社株は2021年11月29日には4490円の史上最高値を記録している。なお同社は2021年12月1日に1株→2株の株式分割を行っているが、この原稿はそれを調整した株価を示しているが、実際に分割直前の11月29日には8980円の株価がついている。2020年3月には同社株は最安値513円だったが、一気にその19倍の8980円まで昇りつめて、その後株分割で4490円になり、その4490円がこの9カ月でその約60%の2800円まで下げたのだ。今回の業績下方修正もすでに株価は予見していたということになる。昨年12月1日の1株→2株の株式分割の時点で、すでに過熱気味だったスノーピーク株をめぐる相場はすでに終わったと見ていいのではないか。スノーピークの2022年12月期の1株当たりの当期純利益予想は65.59円。東証上場企業の株価は1株当たりの当期純利益の平均約20倍程度であるから、スノーピークの妥当株価は1300円程度だ。すでに将来を期待してスノーピークの株を買うという段階は終わったと見ていいだろう。同社株は今後の展開次第では2000円割れもありそうな気配ではある。
文・三浦彰/提供元・SEVENTIE TWO
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