トレイに行きたい
すこし怖がりながらも進む中、Aくんの彼女が突然「トイレに行きたい」と言い出します。
近くにあったトイレは、見るからにちょっと不気味でしたが、仕方なくそこで用を済ますことにしました。
Aくんの彼女は怖いから私に「着いてきて?」と。
女の子は私しかいないので仕方なく行くと、私達より先に12歳くらいの女の子がトイレに入ってきました。
女の子を待待っているお母さんは感じの良い人で、ニコニコと笑顔で話かけてくれます。
女の子が用を済ませてトイレから出てきた後も
「寒いのでお互い気をつけましょうね」
と一言声をかけてくれて、今は深夜で、ここが心霊スポットなのを忘れるくらいでした。
しばらくすると、トイレの中からAくんの彼女が「気持ち悪い?生理きちゃったかも」と話しかけてきます。
たまたま持っていた痛み止めを彼女に渡し、ちょっと離れた場所にいるAくんに事情をはなし、その日は心霊スポットを回るのをやめて帰宅する事にしました。
そういえば
帰り道の車の中でと、私はAくんの彼女に「そいえばさっきの親子二人、こんな時間に何してたんだろう?」と聞くと、
「は?いつの話それw親子なんていなくなかった?」
と言い出しました。
「え?トイレの中でわたし話してたじゃん。」と言うと、
Aくんの彼女は真っ青な顔をして
「それやばいやつじゃね?」
家に着いたのは深夜4時、まだ外も真っ暗で疲れているはずでしたが、全く寝ることができません。
じつのところ隣に座ったBくんと心霊スポットにいく事で、少し近づけたらと下心もありましたが・・・。
こんな体験しなければよかった、そう後悔しながら眠りにつくと人生初の金縛り。
目を開けると隣には、トイレの中で会った親子二人が泣きながらこっちを見て、
「こっちに来ちゃダメ。あのトイレより先に行ってはダメだよ。」
そう言ったあとに消え、金縛りからも開放されました。