イカは再び庶民の手に戻るか
日本人にとって最も身近な魚介類のひとつであるイカ。平成の中頃まで、日本で最も消費されている魚介類は「スルメイカ」だったことも、その印象を裏付けます。
しかし平成の後期になると、海流の変化や海洋温暖化、そして乱獲などによりスルメイカの漁獲量が減少。つられるように他のイカ類も資源量が減っていき、現在日本近海のイカ資源量は、80年代と比べ1割ほどまで減少したと見られています。

(画像=スルメイカ(提供:PhotoAC)、『TSURINEWS』より 引用)
その結果、イカの価格は種類を問わず高騰。需要を満たすために南米などから大量に輸入されているのですが、それでも庶民にとって縁遠い食材となりつつあるのが現状です。
今回養殖技術が開発されたアオリイカが含まれるツツイカ類には、スルメイカやヤリイカなど、身近な惣菜用イカも多く含まれます。今回の技術はアオリイカ用に設定されたものだということですが、生態の共通点から他のツツイカ類にも応用ができる部分もあると思われます。ぜひ他のイカの養殖にも活用され、養殖イカの存在が一般的なものとなってくれればいいなと思います。
<脇本 哲朗/サカナ研究所>
提供元・TSURINEWS
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