鹿児島空港から南へ400キロ、奄美群島のひとつ、徳之島にある伊仙町(いせんちょう)は不思議なパワーに満ち溢れた町です。闘牛の島として有名ですが、長寿と子宝の町でもあります。日本の平均出生率は1.44であるのに対し、伊仙町はなんと2.81で日本一。そして長寿世界一としてギネスブックに掲載された泉重千代さんと本郷かまとさんは、お2人ともこの伊仙町のご出身です。世界自然遺産の候補地でもあって最近何かと話題の徳之島伊仙町には、とっても気さくで若々しいご年配の方が沢山いらっしゃいます。その元気の素のひとつは、パパイヤや豚足など、普段から食べられている食事ではないでしょうか。

パパイヤはこんな感じで木になります。パパイヤというとフルーツとして食べるのが一般的ですが、こちらでは熟す前の青い身の段階で、薄く切って炒め物などの料理に使います。とても栄養価が高く、食べていると病気知らずとも言われています。


お茶にも独特な飲み方があります。泡立て器のようなものでよくかき混ぜて振る舞う「ふり茶」。冷ますという目的もありますが、混ぜている間にゆったりと会話を楽しむという、親睦のお茶という意味もあるそうです。このあたりに優しい島人の心を感じますね。

そして町の身近な食材ばかりで作った、飾らない料理の数々。これぞ「長寿食」ではないでしょうか。写真のお皿は全て葉っぱ。大皿代わりに使っているのはバナナの葉です。抗菌作用もあるとのこと。

パパイヤと人参を千切りにした炒めもの。優しい味がします。

地鶏のスープ。薄味ですがしっかりと鳥の旨味が出ています。

沖縄ではグルクンと呼ばれている、赤ウルメのフライ。

その名もズバリ、長命草の天ぷら。島ではいたる所に生えている野草です。

コラーゲンたっぷりの、島の塩で味付けをした豚足。

アオサの天ぷら。口に入れると磯の香りが広がります。

にが菜の炒め物。ほろ苦さが食欲をかき立てます。

柔らかくてホッコリするジーマミー豆腐。

バナナの葉でくるんだオニギリ。おミソを具にして卵で巻くのが、島でポピュラーなオニギリです。

もち粉、小麦粉、黒糖を練って焼いた「ふなやき」。コクのあるもっちりとしたデザートです。

南国フルーツの代表格、色鮮やかなドラゴンフルーツ。

これらの長寿食は、町の皆さんで作り上げた茅葺き屋根の小屋「やどぅり」で頂けます。

体にいいモノにこだわり続けている方もいらっしゃいます。福留果樹園の福留ケイ子さん。有機無農薬の果樹栽培に取り組んで20年。数々の賞を受けられている、有機農業のレジェンド的存在です。

例えばこのびわ茶。有機自家園で育てられた茶葉だけを使った、ノンカフェインの健康茶です。

ほどよくラー油を効かせたにんにくラー油みそ。ご飯にのせるともうたまらない感じです。

最近売り出し中の生姜ドリンク。生しょうが、島みかん、黒糖、そしてスーパーフードの山シークニンが原材料です。濃厚なので、お湯やお酒で割っても美味しく飲めます。

手つかずの南国の魅力がいっぱいの徳之島は、来年の世界自然遺産の有力候補地でもあります。素敵な土地で、素敵な人たちが作る、素敵な食べ物。伊仙町に来ると生命のエネルギーをチャージできます。
文・写真・むろた/提供元・たびこふれ
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