アユの香りは「藻を食べる」おかげ?

さて、アユといえばその最大の魅力はやはり「香り」。漢字では「香魚」とも書かれるアユは、スイカやキュウリのような爽やかな香りがするのが身上です。

この香りについて、釣り人の間では「成長したアユは川底の石についた藻を食べるため、その藻の青い香りが移るのだ」という言説が実しやかに囁かれています。しかし実際のところ、この香り成分は体脂肪が分解されたときに出るもので、藻が直接的に作用しているわけではありません。

「酒かす」でアユ育てる研究がスタート 日本酒との相性は間違いなし?
(画像=アユの塩焼きの光景(提供:PhotoAC)、『TSURINEWS』より 引用)

そのため、アユは稚魚のときは藻ではなく水生昆虫などを食べるのですが、そのときもすでに同様の香りを持っています。さらにアユが属する「キュウリウオ科」の魚の多くにも似た香りがありますが、そのなかで藻を食べるのはアユだけです。

実際のところ、釣り人の言う「藻の質」よりも、酒かすのほうが遥かにアユの食味に影響を及ぼすでしょう。

<脇本 哲朗/サカナ研究所>

緊急事態宣言は解除されましたが、外出については行政の最新情報を確認いただき、マスクの着用と3密を避けるよう心がけて下さい。一日も早く、全ての釣り場・船宿に釣り人の笑顔が戻ってくることを、心からお祈りしております。

提供元・TSURINEWS

【関連記事】
ゼロから始める「カヤックフィッシング」 マダイを釣るためのキホン5選
船長に聞く「沖釣り初心者の心得」:東京湾LTアジ 厳選船宿8選も紹介
大豆ではなく「魚で作った」味噌とは? 実は各地に存在する発酵魚介食材
干物にすると飛躍的に美味しくなる海釣りターゲット4選
釣り編集者が上天草へお試し移住 移住家族に聞く「リアルな本音」とは?