頭が2つに分かれた多頭症のヘビは、稀ですが発見例がいくつかあります。

しかし、過去に一例だけ「第三の目を持つヘビ」が見つかったのをご存知でしょうか?

2019年4月に、オーストラリア北部にあるノーザンテリトリー国立公園で発見されたこのヘビは「モンティ」と名付けられ、当時、専門家たちの注目の的となりました。

目次

  1. 第三の目で「垂直方向」も視野の内に

第三の目で「垂直方向」も視野の内に

モンティは「カーペットニシキヘビ(学名:Morelia spilota)」という種に属しており、発見時の体長は40センチほど。

生後3ヶ月にも満たない子どものヘビでした。

カーペットニシキヘビはオーストラリアの他に、インドネシアやパプア・ニューギニアに生息しており、成長すれば2〜4メートルにもなる大きなヘビです。

世界に一例だけ!おでこに「第三の目を持つヘビ」の生涯
(画像=3つ目のモンティ / Credit: Northern Territory Parks and Wildlife,『ナゾロジー』より 引用)

第三の目が正常に機能していたおかげで、モンティは垂直方向にまで視野を拡大することができました。

レントゲン検査の結果、頭蓋骨が2つに別れている痕跡はまったく見当たらず、代わりに、第三の目を収納するための眼窩が確認されています。

ノーザンテリトリー国立公園の専門家は当時、「第三の目は胚の成長過程ですでに形成されていたと考えられます。

環境因子による生後の突然変異の可能性はなく、遺伝的に奇形成長した結果でしょう」と説明しました。

世界に一例だけ!おでこに「第三の目を持つヘビ」の生涯
(画像=上空も見渡せたモンティ、一体どんな景色が見えていたのか? / Credit: Northern Territory Parks and Wildlife,『ナゾロジー』より 引用)

同公園のレンジャーであるレイ・チャット氏は「奇形というハンディを負いながら、これほど長い期間、野生の世界を生き抜いたのは驚くべきことです。

モンティは保護後、数週間で亡くなっており、最後の方は食事も満足に取れないほど弱っていました」と言います。

上空を見渡せるというメリットは持っていたものの、やはり第三の目は小さい体への負担が大きかったようです。

モンティの遺体は現在、科学的研究のため「オーストラリア連邦科学産業研究機構」にて保管されています。

短い一生ではありましたが、他のヘビには見れない景色を見たことでしょう。

無事に成長していれば、最強のヘビになっていたかもしれません。

本記事は、2019年5月3日に掲載した記事を再編集したものです。

提供元・ナゾロジー

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