読点を正しく打つ
読点の役割は読み違いを防ぎ、理解を早める手助けをすること。打ちすぎると流れが悪くなり、読みにくく、うっとうしくなるので、わかりやすさと読みやすさの両方から考えるべきです。また、読点の打ち方で、文章の意味が変わることがあります。
A.妻は、嬉しそうに笑う彼を見つめた。
B.妻は嬉しそうに、笑う彼を見つめた。
Aでは、嬉しそうに笑っているのは彼です。Bでは、笑っている彼を妻が嬉しそうに見つめている風景になります。また、読点の打ち方で主体が変わってきます。以下は例文ですが、使いかたを覚えているとバリエーションが広がります。
<主語の後に打つ>
彼女は、駅前にあるベーカリーで働いている。
<接続詞の後に打つ>
そして、兄は出発した。
<接続助詞の後に打つ>
薬を飲んだが、よくならなかった。
<独立語の後に打つ>
はい、こちらから連絡します。
<時や場面が変わるところに打つ>
彼が帰宅したとき、家には誰もいなかった。
<同じ役割の動詞や形容詞が続くときに打つ>
静かで、明るい別荘ですね。
<「」の代わりに打つ>
きっと帰ってくる、と彼は言った。
<ひらがなや漢字が続く場合に打つ>
そろそろ、そうじをしよう。
参考書籍
『あなたの文章が劇的に変わる5つの方法』(三笠書房)
尾藤克之
コラムニスト
文・尾藤克之/提供元・アゴラ 言論プラットフォーム
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