夏の上り鰹(初鰹)はさっぱりした味が、秋の戻り鰹は脂の乗りが魅力と言われていますが、今その「常識」に異変が起こっています。
宮城のカツオが不漁
日本最大の生鮮カツオ産地、宮城・気仙沼港。例年夏になるとカツオの水揚げが増えるはずのこの港で今、異例の不漁が続いています。今年もいつも通り6月に水揚げがスタートしたのですが、シーズン真っ盛りの7月に入っても魚が獲れない状態が続きました。
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(画像=カツオ(提供:PhotoAC)、アイキャッチ画像提供:PhotoAC、『TSURINEWS』より引用)
本来ならこの時期、南から回遊してくるカツオの群れが宮城沖まで北上し、主要漁場となって全国の漁船が集まり、気仙沼港で水揚げを行います。しかし今年は漁場が浜から遠く、また群れも例年より小さいようで、漁船が集まらず水揚げも伸びていないのです。
泣く宮城、笑う千葉
気仙沼では6月1日に、一本釣り船によるカツオ水揚げがスタート。序盤は例年通りの水揚げが続いたそうで、漁場の北上に伴う本格化が期待されていました。
しかし、一度は常磐沖まで北上したカツオの主漁場が、6月下旬になぜか千葉県勝浦沖まで南下してしまいました。その結果、ほとんどの漁船がそこで漁を行い、そのまま関東随一のカツオ水揚げ基地である勝浦港で水揚げをする形になったといいます。
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(画像=勝浦漁港(提供:PhotoAC)、アイキャッチ画像提供:PhotoAC、『TSURINEWS』より引用)
結果として、勝浦やその北に位置する銚子では5月末から豊漁が続いているそうです。卸値はやや不漁であった4月末から半値ほどに値下がりし、市場は活気づいています。
対照的に、気仙沼は「カツオのまち」のアイデンティティが傷つけられる形となっており、関係者は悲鳴を上げているそうです。