なぜこんな研究が?
これまでセレノネインは、養殖のブリに注入することで流通時のヤケ(肉が傷んでしまった状態)を防ぐ目的などで利用されてきました。しかしその高い抗酸化作用に目をつけ、2021年に神奈川県主導で、人への効果を研究するチームが発足、研究を続けてきました。
神奈川県には三崎港という日本最大級のマグロ水揚げ港があり、マグロは漁業のみならず観光産業の目玉ともなっています。そのため「マグロで健康になる」という事例が発見されるのは、三崎港を含む三浦半島全域の活性化に繋げられるのではないか、という期待があるのです。

(画像=解体されるマグロ(提供:PhotoAC)、『TSURINEWS』より引用)
また同県では年々増加する医療費の削減を目標とし、病気にかかりそうな人をそうなる前に見つけ出して対処する「未病改善」を政策として推し進めてきました。高い健康増進効果を持つと思われるセレノネインに注目するのにはそういった理由もあります。
血合い肉は味が濃い一方で鮮度落ちが早く、未利用部位として処分されてしまうことも多い食材です。今回の新知見により、今後食材としての注目度が上がっていくことになるかもしれません。
<脇本 哲朗/サカナ研究所>
提供元・TSURINEWS
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