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撮影小屋で決定的瞬間を狙う
冬の妖精「シマエナガ」登場
撮影小屋で決定的瞬間を狙う

カフェコーナーの奥には、写真撮影に最適なフォトカフェ(通称:撮影小屋)が設けられています。完全予約制で午前は10時から13時、午後は13時10分から16時10分の利用が可能です。利用の際には飲み物又は食事1品以上の注文が必要で、「多くの方に利用してもらいたい」という希望から、1人週4枠までの利用に限定されています。

フォトカフェ内には横一列9席が配置されており、野鳥に警戒されないよう窓枠にカモフラージュネットがかけられています。そこから飛び出した望遠レンズは、まるでバズーカー砲のよう。決定的な一瞬を映し出そうと、静かにガーデンを睨みつけています。

餌場には、入れ代わり立ち代わりさまざまな野鳥がやってきます。
アカゲラやクマゲラのキツツキ目や、ウグイス色がオシャレなシジュウカラ、頭に黒いベレー帽のような模様が特徴的なコガラ、ビービーと鼻にかかった声を出すヤマガラなど、スズメ目も飛来します。
まわりを見回すと高級カメラに超望遠レンズを装着した人ばかり。「もっと近く」「もっと綺麗に」と、野鳥撮影にのめり込むにつれて、機材がグレードアップしていくようです。
冬の妖精「シマエナガ」登場

多くの人たちのお目当てはシマエナガです。
「シマ」は縞模様ではなく、「島」のこと。その名の通り北海道にしか生息しないエナガの亜種です。体長14cm、体重は8gほどの小さな鳥で、真っ白な顔と、丸々とした姿が愛らしく「冬の妖精」と呼ばれています。写真集がロングセールスを記録するなど「シマエナガブーム」を巻き起こしています。

1時間待って、ようやくシマエナガがやってきました。静けさを切り裂いて一斉にシャッター音が鳴り響きます。べストショットを狙うものの、動きが早い上に思い通りの場所に止まってくれるはずもなく、満足がいく一枚を収めるのは奇跡に近いと言えるでしょう。

餌場から、シマエナガがシジュウカラに追い出されました。思わず「何しやがる」と怒り心頭。思いがけないトラブルに、野鳥撮影の難しさを痛感しました。難易度の高さに魅了され、理想的なシマエナガの姿をカメラに収めようと本州から通う人も少なくないそうです。