投入の手順
12mと長い仕掛けを扱う経験が豊富な初心者は少ないだろう。手順はこうだ。
1.ステン缶にコマセを詰めて投入
2.仕掛け巻きを手に持ち、リールのクラッチを切る
3.落ちていくビシに引っ張られ仕掛けが出ていく
4.ハリまできたらストップ
5.ハリにエサを付けて投入
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仕掛けと誘いについて
「コマセがこう流れるから、ああしなければとか、状況に応じてハリスを伸ばすとか。そんな細かいことは考えなくていいですよ。混乱して分からなくなるだけだから」とありがたいアドバイス。出船エリアや船宿が推奨する10mや12mの仕掛けを信じて使えばいい。
取材当日、船長の指示は「水深25m」で、これはビシをキープする位置。魚は水深40m付近にいたから
ビシ=水深25m
魚=水深40m
ハリス=12m
という状況。潮の流れを考えなければ、付けエサは1)+3)で水深37mにくるはず。マダイはかなり離れた場所のエサも食いに来るから、わずか3mくらいの距離ならしっかり見つけてくれる。ただし、上方しか見ていないので、魚の泳層より下にエサを置くのはNG。
松本さんは竿先1m程度の幅でソフトにシャクり、合計3回に分けてまく。例えば
1回目・・・水深30m
2回目・・・水深28m
3回目・・・水深26m
という例。3回終わったら1m巻いてビシを水深25mにセットする、という具合。
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探見丸の活用方法
取材当日、ほとんどの同船者が船べりに探見丸をセットしていた。船につけた親機の情報を表示できるこのシステムがあると、釣りがまったく変わってくる。
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マダイは神経質でビシを嫌がる傾向が強い。水深40mに魚がいたとして、ビシを水深35mまで落とすと「何か怪しい物体が落ちてきた」と水深50mまで潜水して逃げていく。潜った魚をコマセワークで浮かせるのが第一歩だ。
コマセをまいた直後、高活性のマダイと思われる魚が一気に浮上しながら突っ込んでくる様子が画面に写る。それを見た松本さんが「この魚は食うよ!」と言うと、本当に船中の誰かにヒットしていた。ビシにおびえて潜るのも、コマセを目がけて突っ込んでくるのも探見丸があれば一目瞭然なのだ。
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