スーパーフードブーム以来、世界各地の「体によい」穀類が再評価されるようになりました。それらはいずれも無精製の全粒穀物として丸ごとの栄養を摂取できるホールフードです。今回は、その一部を紹介しています。
文:森弘子
①穀物の中でタンパク質量トップクラス
『アマランサス』
アステカ族が紀元前5000年ごろから栽培していた穀物。ほうれん草と同じヒユ科の一年生草木の種子。非常に小粒なので、茹でて和え衣にしたり、スープにも最適です。タンパク質は100g中12.7g。穀物の中ではトップクラスです。またマグネシウムとカルシウムを多く含み、そのバランスも極めてよい穀物です。
②抗酸化物質が豊富
『ソバ』
日本人に馴染みのそばですが、世界各地で、お粥やパスタ、ガレットなどの形で広く親しまれています。ソバは、ポリフェノールの一種で「ビタミンP」とも呼ばれる抗酸化物質「ルチン」を多く含みます。ルチンは水溶性なので、水に溶け出してしまいます。そのため蕎麦を食べるときは、蕎麦湯を必ず飲むことをおすすめします。
③話題の低GI食品
『ブルグア』
デュラム小麦など、複数の種類の小麦を挽き割りしてつくられる全粒穀物です。東地中海地域の主食で、サラダやスープをはじめパンの材料などさまざまな調理法で食べられています。タンパク質量と食物繊維量が多く、グリセミックインデックス(GI値)が低いのが特徴です。
④大注目“アマニ油”の原材料
『亜麻仁』
英名「フラックス」、和名で「亜麻」という植物の種子(仁)が、亜麻仁(アマニ)」です。近年では、亜麻仁から搾油した油(フラックスシードオイル)が話題になりました。ゴマよりひと回り大きく、香ばしい味が特徴です。栄養的には、オメガ3脂肪酸が多く、ポリフェノールの一種「リグナン」を多く含有します。リグナンは、大豆イソフラボンに似た働きをします。