目覚めのコーヒーを好む人たちは多い。コーヒーがなければ1日が始まらないとまで言う人もいる。それは、コーヒーの中のカフェインが体を目覚めさせ、エンジンをかける鍵となるからだ。ただし、コーヒーに依存しすぎて毎日何杯も飲むのは問題がある。今回はコーヒーの飲み過ぎについて解説してみたい。
文:Hunter Blackhome,CSCS
翻訳:ゴンズプロダクション



コーヒーが好まれる理由

香りがいいということ以外でコーヒーが好まれる理由は、含有成分のカフェインにある。カフェインは魔法の成分と言っても過言ではなく、これによってエネルギーが高まる感覚が得られるからだ。ただし、この感覚は1時間ほどで消えてしまう。その後は疲労感が増し、疲れやすさを感じたり、まるで一気に年老いたような気分になって落ち込んだりすることもある。これらの感覚から逃れようと、人はまたコーヒーを飲む。これが多飲の習慣へとつながるのだ。



今日は何杯飲んだ?

自分はコーヒーを飲み過ぎているのだろうか? 何杯以上飲んだら飲み過ぎという指標はないのだが、少なくとも以下の目安を知っておくことで、どれだけ自分がカフェインを摂取しているかを判断することができる。
【カップ1杯あたりのカフェイン含有量】
●ラテやカプチーノ: 100 〜120mg
●ブラックコーヒー:65〜120mg
●エスプレッソ:30〜60mg
●紅茶:10〜50mg



カフェインの副作用

カフェインに対する耐性は人によって異なる。カップ1〜2杯のコーヒーを飲んだだけで、ちょっとした副作用に悩まされるという人もいれば、8杯飲んでも何も変わらないという人もいる。カフェインの摂り過ぎによる副作用として挙げられるのは、何となく頭がすっきりしない、疲労感、イライラ感、眠れない、心拍数が高い、視点が定まらないなどの症状だ。カフェインに対して敏感な体質であると感じているなら、少なくとも夜間にコーヒーを飲むのはやめよう。そうするだけでも、不眠に悩まされる確率は減るはずだ。
カフェインによる副作用については、一般的には、よほど大量にカフェインを摂ったときに感じられるのが普通だ。コーヒーを飲んだくらいでカフェインの副作用がもたらされる確率は決して高くはないのだ。しかし、カフェインのサプリメント(パウダー)を飲んだりすると、カフェイン過多になる危険性は高まる。コーヒーをよく飲む人が、さらにカフェインのサプリメントを摂取するのは十分に注意したほうがいい。特にカフェインに過敏な人は慎重になるべきだ。



自分にとっての適量とは

しばらくコーヒーを飲んでいるうちに、なにかしらの副作用を感じるようになったら、それがその人のカフェインに対する限界である。それ以上のコーヒーを飲めば不眠になったり、脳機能を低下させることにつながると覚えておこう。逆に、コーヒーを飲み続けているうちに、カフェインに対する耐性が高まる場合もある。最初は1日1杯のコーヒーを飲んだだけでなんとなくイライラ感が出ていたのに、そのうち4〜5杯を飲んでも平気になったりすることもある。一定量を超えて飲むと必ず副作用が現れるのに、それでも飲まずにいられないという人たちもいるわけだが、それは一種のカフェイン中毒に陥っているのかもしれない。その場合、意識して摂取量を減らし、飲むことを適度に我慢する必要がある。そのうちに症状は緩和されるが、コーヒーを飲まずにいられないというレベルになってしまったら、その状態を放置せず、できるだけ早い段階でコーヒーを減らす努力をしよう。



カフェイン以外の注意点

コーヒーの飲み過ぎはカフェインだけの問題ではない。他にもいくつか注意してほしい点がある。
●余分なカロリー:ブラックで飲むらともかく、ラテやカプチーノなどにして飲む場合は、余分にカロリーを摂取することになる。少しでも糖や乳製品が加われば、それは体にとって余計なカロリーであることを忘れてはならない。
●余分な脂肪:前述したことと重複するが、脂質を含む乳製品を加えれば、コーヒーを飲んでいるつもりなのに、余分な脂質も体に取り込むことになる。1杯の量はわずかかもしれないが、1日に何杯も飲む人は脂肪が肝臓に蓄積され、脂肪肝の原因にもなるのでその点を忘れないように。
●脱水症:コーヒーをよく飲む人は1日を通して水をあまり飲まない。実はこれはとても危険なことなのだ。なぜなら、コーヒーの多飲によって脱水症を引き起こす可能性があるからだ。コーヒーで水分補給しているのに、なぜ脱水症になるのかと不思議に思うかもしれないが、水を飲むこととコーヒーを飲むことは違うということをしっかり認識しておかなければならない。なお、ただの水でも体の中ではとても重要な役割を持っている。水だって長期的に見たらエネルギーレベルを高める役割をしているのだ。脱水症になれば疲労感が強まり、すぐに疲れたり、浮腫が出たりする。少しでも体調がおかしいと思ったら、コーヒーの量を減らし、その分を水に置き換えてしっかり水分補給しよう。



最後に

コーヒーが好きという人の気持ちは分かるが、それでも飲み過ぎは禁物だ。カフェインを含むコーヒーは、好きなだけ飲んでも構わないというものではない。適量を楽しみ、コーヒーの中のカフェインを最大限に活用し、末永くコーヒーが楽しめる体を維持していくようにしよう。

提供元・FITNESS LOVE

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