伊藤さとしのプライムフィッシング。最終回のテーマは「マッシュで大型を狙う」。これまでさまざまなテーマを紹介してきたが、最後は伊藤の好きな釣りで締めくくってもらおう。今回は千葉県君津市にある亀山湖での実釣編。
(アイキャッチ画像提供:週刊へらニュース伊藤さとし)
最終回は大型狙い
2019年からスタートしたプライムフィッシングが、いよいよ最終月を迎えます。長期に渡りご苦労さまでした!
伊藤 さとし「こちらこそ、ありがとう。おかげで、現場で声をかけられることも多くあったし反響も多くいただいたよ」
最後は伊藤さんの好きな釣りで締めくくりましょう。リクエストはありますか?
伊藤 さとし「じゃあ亀山か片倉の大型釣り(両マッシュ)をやらせてもらおうか」
そうくると思いましたが、直近の情報があまりよくありません。どちらかと言えば亀山湖のほうが、まだマシのようですが天気が怪しいです。
そんなことを話していた取材日予定日の二日前、亀山湖周辺でゲリラ豪雨があり一気に水位が上がってしまった。春の水位上昇は大歓迎だが、この時期の集中豪雨は百害あって一利なしのことが多い。しかし取材日順延は不可なので決行するしかなかった。
亀山湖での実釣編
7月21日(木)、亀山水産センターから出舟。とりあえず笹川筋まで上がってみたが、コーヒー色の土砂濁りでモジリもなく、すぐさま下流方向に引き返す。しばらくトンネル下や川面台周辺に舟を留めて水面を眺めていたが気配ゼロ。また他店からの先釣者で主だったポイントも埋まり気味だった。
伊藤 さとし「これならまだモジリがあった桟橋周辺のほうがマシだね」
センターの桟橋周辺まで引き返し、朝のうちモジリが多くあった通称・モミの木前に着舟する。
ところがエサ打ちを始めると今度は桟橋近辺でモジリが出始めたので、1時間半ほどでモミの木ポイントを離れ、桟橋東向きに舟を直着けして再開する。
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釣り方は竿7尺チョウチンのマッシュ系両ダンゴ。配合はマッシュポテト徳用、マッシュダンゴ各200㏄+水400㏄で5分ほど放置してカクシン100㏄+凄麩200㏄。ハリは上下ともサイト18号、ウキは1mm径グラスムク。
伊藤 さとし「パイプでどっぷりナジませて釣りたかったんだけど、どうもそういう時合いではなさそうだから、ムクのロングトップでストロークを生かした一方通行の釣りでやってみるよ」
竿が短いですね?
伊藤 さとし「せっかく桟橋直着けでやっているのだから、桟橋直下にいるであろう魚を狙ってみないとね。ダメなら長くするよ」
最悪な釣況のなか尺2寸ヒット
やはり7尺では短すぎたのか、2時間ほどエサ打ちしてノーピク。そこで仕掛けやエサは同じのまま、ウキだけをサイズアップして竿を紅月13.5尺に替える。タックルとエサは下図。
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10時30分に再開。タナが深くなった効果か、1投目から何かが触っている。ウキが持ち上がる触りなのでおそらくはジャミ系だが、魚っ気があるのはありがたい。
ジャミとは分かっていても、ウキがスパッと入ればアワせる。おもな正体はワタカと判明したが、1枚目のヒットもそのような雰囲気からの流れだった。ただし触りが少しだけ静かだったようだが釣った本人はヘラとは思わなかったらしい。時計は10時55分。
上がってきたのは38cm前後。はじめはまったく竿を引き込まなかったのでジャミと確信していたようだが、途中からグイグイ穂先を締め込んだので左手にタマ網をつかむ。
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伊藤 さとし「ジャミと混在してるのかもね」
しかし尺2寸程度では大型釣りに来た意味がない。さらなる大幅サイズアップを果たしたいところだが、伊藤の願いもむなしく散る。
2枚目ヒットも有終の美ならず
14時すぎ、流れでウキが手前に引っ張られるなか苦し紛れに2枚目がヒット。尺3寸前後と微々たるサイズアップを達成するも、その後はノーピクで17時の納竿を迎えた。
有終の美を飾ることはできなかったが、釣況を考えればオデコでなかっただけマシだったはず。
ちなみに他店から出舟しトンネル下や川面台、竹ヤブなどを狙った人たちは全員がオデコ。唯一トンネル下から笹川筋に逃げた人が48.5cmを上げたと、後に情報が飛び込んできた。
伊藤 さとし「濁りを嫌って川筋は避けたけど、もしかしたら水位上昇で魚は上流部に移動したのかもしれないね。まあ、それを言っても後の祭りだけどね」
次回も「マッシュポテトで大型狙い」です。
<週刊へらニュース伊藤さとし/TSURINEWS編>
▼この釣り場について
亀山湖
取材協力:亀山水産センター TEL=0439(39)2974
この記事は『週刊へらニュース』2022年8月5日号に掲載された記事を再編集したものになります。
提供元・TSURINEWS
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